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[インデックス 15808] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである net/http パッケージのテストスイートにおける、ゴルーチンリーク(goroutine leak)検出の挙動を調整するものです。具体的には、go test -short コマンドでテストを実行する際に、ゴルーチンリークのチェックをスキップするように変更されています。これにより、短時間で実行されるテストモードでの不安定さやデバッグの煩わしさを軽減することを目的としています。

コミット

commit f98b8a00db9283930ee8f00046e9d87c673b0dca
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Fri Mar 15 16:50:54 2013 -0700

    net/http: don't test for goroutine leaks in short mode
    
    Too annoying and flaky to debug for now. Later. This
    tangent has taken enough time.
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7863043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f98b8a00db9283930ee8f00046e9d87c673b0dca

元コミット内容

このコミットは、src/pkg/net/http/z_last_test.go ファイルに対して以下の変更を加えています。

--- a/src/pkg/net/http/z_last_test.go
+++ b/src/pkg/net/http/z_last_test.go
@@ -39,6 +39,9 @@ func interestingGoroutines() (gs []string) {
 // Verify the other tests didn't leave any goroutines running.
 // This is in a file named z_last_test.go so it sorts at the end.
 func TestGoroutinesRunning(t *testing.T) {
+	if testing.Short() {
+		t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode")
+	}
 	gs := interestingGoroutines()
 
 	n := 0

TestGoroutinesRunning 関数内に if testing.Short() { t.Skip(...) } という条件分岐が追加されました。これにより、go test -short フラグが指定された場合、このテスト関数はスキップされ、ゴルーチンリークのチェックが行われなくなります。

変更の背景

Goの net/http パッケージは、ネットワーク通信を扱うため、内部で多くのゴルーチンを生成・管理します。テストの終了時に、これらのゴルーチンが適切に終了しているか(リークしていないか)を確認することは、リソース管理やメモリリークの防止の観点から非常に重要です。TestGoroutinesRunning は、テストスイートの最後に実行されるように設計されており、他のテストが残したゴルーチンがないかを検証する役割を担っていました。

しかし、コミットメッセージにあるように、このゴルーチンリーク検出テストは「Too annoying and flaky to debug for now.」(現時点ではデバッグが煩わしく、不安定である)という問題に直面していました。特に、go test -short モードのような、より高速なテスト実行を目的とした環境では、テストの実行順序、タイミング、または特定のテストケースの相互作用によって、一時的にゴルーチンが残存しているように見えたり、デバッグが困難な競合状態が発生したりすることがありました。

開発者は、この不安定なテストのデバッグに時間を費やすよりも、一旦 short モードでのチェックをスキップし、より安定した環境(フルテストスイート)でのみリークチェックを行うという判断を下しました。これは、開発の効率性とテストの信頼性のバランスを取るための実用的な決定と言えます。

前提知識の解説

Go言語のゴルーチン (Goroutines)

Go言語におけるゴルーチンは、軽量な実行スレッドのようなものです。OSのスレッドよりもはるかに少ないメモリ(数KB程度)で起動でき、数百万のゴルーチンを同時に実行することも可能です。GoのランタイムがゴルーチンをOSスレッドにマッピングし、スケジューリングを行います。並行処理を記述するためのGoの主要なプリミティブであり、go キーワードを使って関数呼び出しの前に置くことで簡単に起動できます。

net/http パッケージ

net/http パッケージは、HTTPクライアントとサーバーの実装を提供します。Webアプリケーションの構築やHTTPリクエストの送信に広く利用されます。このパッケージは、リクエストの処理、コネクションの管理、レスポンスの送信など、多くの内部処理でゴルーチンを積極的に利用します。例えば、HTTPサーバーは各リクエストを新しいゴルーチンで処理することが一般的です。

testing パッケージと go test

Goの標準ライブラリには、テストを記述するための testing パッケージが含まれています。テスト関数は Test で始まる名前を持ち、*testing.T 型の引数を取ります。go test コマンドは、プロジェクト内のテストファイル(_test.go で終わるファイル)を自動的に発見し、実行します。

testing.Short()go test -short

testing.Short() 関数は、go test コマンドに -short フラグが渡された場合に true を返します。このフラグは、テストスイート全体を高速に実行したい場合に利用されます。通常、時間のかかるテスト(例:ネットワークアクセス、ファイルI/O、大規模な計算、または不安定なテスト)は、testing.Short() の結果に基づいてスキップされるように実装されます。これにより、開発者は変更を加えるたびに、すべてのテストを待つことなく、主要なテストが迅速に実行されることを確認できます。

ゴルーチンリーク (Goroutine Leak)

ゴルーチンリークとは、起動されたゴルーチンが期待通りに終了せず、実行され続けてしまう状態を指します。これは、チャネルの送受信がブロックされたままになったり、無限ループに陥ったり、リソースが適切にクローズされなかったりする場合に発生します。ゴルーチンがリークすると、そのゴルーチンが使用しているメモリやその他のリソースが解放されず、アプリケーション全体のメモリ使用量が増加し続け、最終的にはメモリ不足やパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。

z_last_test.go ファイル

Goのテストファイルはアルファベット順に実行されます。z_last_test.go のようにファイル名の先頭に z_ を付ける慣習は、そのファイル内のテストがテストスイートの最後に実行されることを保証するために用いられます。これは、他のすべてのテストが完了した後に、全体的な状態(この場合は残存ゴルーチン)を検証するようなテストに特に有用です。

技術的詳細

net/http パッケージの TestGoroutinesRunning 関数は、Goのテストフレームワークとランタイムの内部機能を利用してゴルーチンリークを検出します。

  1. interestingGoroutines() 関数: この関数は、現在のプロセスで実行中のすべてのゴルーチンを列挙し、そのスタックトレースを分析します。特に、net/http パッケージに関連するゴルーチンや、テストの終了時に通常は存在しないはずのゴルーチンを「興味深い(interesting)」ものとしてフィルタリングします。このフィルタリングは、テストのノイズを減らし、実際にリークしている可能性のあるゴルーチンに焦点を当てるために重要です。

  2. ゴルーチン数の比較: TestGoroutinesRunning は、interestingGoroutines() が返すゴルーチンのリストの数を監視します。理想的には、すべてのテストが完了した後、net/http パッケージに関連するゴルーチンはすべて終了しているべきであり、このリストは空になるか、非常に少ない数になるはずです。

  3. 不安定性の原因:

    • タイミングの問題: ネットワーク操作や並行処理を含むテストでは、ゴルーチンが完全に終了するまでにわずかな遅延が生じることがあります。TestGoroutinesRunning がゴルーチンをチェックするタイミングが早すぎると、まだ終了処理中のゴルーチンをリークと誤認する可能性があります。
    • テストの相互作用: 複数のテストが複雑な方法で相互作用する場合、あるテストが開始したゴルーチンが、別のテストの終了後も予期せず存続してしまうことがあります。
    • デバッグの困難さ: ゴルーチンリークは、再現が困難な競合状態やデッドロックに起因することが多く、スタックトレースだけでは原因特定が難しい場合があります。特に、テストが失敗するたびに詳細なスタックトレースを分析し、その原因を特定するのは非常に時間と労力がかかります。

このコミットは、このような不安定性に対処するための一時的な措置として、testing.Short() モードでのゴルーチンリークチェックを無効にしました。これは、開発者が日常的に実行する高速なテストサイクルにおいて、不必要な失敗やデバッグのオーバーヘッドを避けるためのものです。完全なゴルーチンリークチェックは、より包括的なCI/CDパイプラインや、開発の最終段階で実行されるフルテストスイートに委ねられることになります。コミットメッセージにある「Later. This tangent has taken enough time.」という記述は、この問題の根本的な解決にはさらなる時間と労力が必要であり、一旦は実用性を優先したことを示唆しています。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/pkg/net/http/z_last_test.go ファイルの TestGoroutinesRunning 関数内で行われました。

func TestGoroutinesRunning(t *testing.T) {
	if testing.Short() { // ここが追加された行
		t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode") // ここが追加された行
	} // ここが追加された行
	gs := interestingGoroutines()

	n := 0
	// ... (既存のゴルーチンチェックロジック)
}

コアとなるコードの解説

追加されたコードは非常にシンプルですが、その影響は大きいです。

if testing.Short() {
	t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode")
}
  • testing.Short(): この関数は、go test コマンドが -short フラグ付きで実行された場合に true を返します。
  • t.Skip(...): *testing.T 型のメソッドで、このメソッドが呼び出されると、現在のテスト関数はそれ以上実行されずにスキップされます。引数として渡された文字列は、テスト結果の出力に表示され、なぜテストがスキップされたのかを説明します。

このコードブロックが TestGoroutinesRunning 関数の冒頭に追加されたことで、go test -short が実行されると、このゴルーチンリーク検出テストは即座にスキップされます。これにより、不安定なゴルーチンリークチェックが高速なテストサイクルを妨げることがなくなりました。

この変更は、テストの網羅性を犠牲にして、開発者の生産性を向上させるためのトレードオフです。完全なゴルーチンリークチェックは、より時間のかかるフルテストスイートで引き続き実行されることが期待されます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: testing パッケージ: https://pkg.go.dev/testing
  • Go言語公式ドキュメント: net/http パッケージ: https://pkg.go.dev/net/http
  • A Tour of Go - Concurrency (Goroutines): https://go.dev/tour/concurrency/1
  • Goにおけるゴルーチンリークのデバッグに関する一般的な情報源 (例: ブログ記事、Stack Overflowなど)
    • (具体的なURLはWeb検索結果によるが、一般的な概念として参照)
  • go test -short の利用に関する一般的な情報源 (例: ブログ記事、Goのチュートリアルなど)
    • (具体的なURLはWeb検索結果によるが、一般的な概念として参照)# [インデックス 15808] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである net/http パッケージのテストスイートにおける、ゴルーチンリーク(goroutine leak)検出の挙動を調整するものです。具体的には、go test -short コマンドでテストを実行する際に、ゴルーチンリークのチェックをスキップするように変更されています。これにより、短時間で実行されるテストモードでの不安定さやデバッグの煩わしさを軽減することを目的としています。

コミット

commit f98b8a00db9283930ee8f00046e9d87c673b0dca
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Fri Mar 15 16:50:54 2013 -0700

    net/http: don't test for goroutine leaks in short mode
    
    Too annoying and flaky to debug for now. Later. This
    tangent has taken enough time.
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7863043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f98b8a00db9283930ee8f00046e9d87c673b0dca

元コミット内容

このコミットは、src/pkg/net/http/z_last_test.go ファイルに対して以下の変更を加えています。

--- a/src/pkg/net/http/z_last_test.go
+++ b/src/pkg/net/http/z_last_test.go
@@ -39,6 +39,9 @@ func interestingGoroutines() (gs []string) {
 // Verify the other tests didn't leave any goroutines running.
 // This is in a file named z_last_test.go so it sorts at the end.
 func TestGoroutinesRunning(t *testing.T) {
+	if testing.Short() {
+		t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode")
+	}
 	gs := interestingGoroutines()
 
 	n := 0

TestGoroutinesRunning 関数内に if testing.Short() { t.Skip(...) } という条件分岐が追加されました。これにより、go test -short フラグが指定された場合、このテスト関数はスキップされ、ゴルーチンリークのチェックが行われなくなります。

変更の背景

Goの net/http パッケージは、ネットワーク通信を扱うため、内部で多くのゴルーチンを生成・管理します。テストの終了時に、これらのゴルーチンが適切に終了しているか(リークしていないか)を確認することは、リソース管理やメモリリークの防止の観点から非常に重要です。TestGoroutinesRunning は、テストスイートの最後に実行されるように設計されており、他のテストが残したゴルーチンがないかを検証する役割を担っていました。

しかし、コミットメッセージにあるように、このゴルーチンリーク検出テストは「Too annoying and flaky to debug for now.」(現時点ではデバッグが煩わしく、不安定である)という問題に直面していました。特に、go test -short モードのような、より高速なテスト実行を目的とした環境では、テストの実行順序、タイミング、または特定のテストケースの相互作用によって、一時的にゴルーチンが残存しているように見えたり、デバッグが困難な競合状態が発生したりすることがありました。

開発者は、この不安定なテストのデバッグに時間を費やすよりも、一旦 short モードでのチェックをスキップし、より安定した環境(フルテストスイート)でのみリークチェックを行うという判断を下しました。これは、開発の効率性とテストの信頼性のバランスを取るための実用的な決定と言えます。

前提知識の解説

Go言語のゴルーチン (Goroutines)

Go言語におけるゴルーチンは、軽量な実行スレッドのようなものです。OSのスレッドよりもはるかに少ないメモリ(数KB程度)で起動でき、数百万のゴルーチンを同時に実行することも可能です。GoのランタイムがゴルーチンをOSスレッドにマッピングし、スケジューリングを行います。並行処理を記述するためのGoの主要なプリミティブであり、go キーワードを使って関数呼び出しの前に置くことで簡単に起動できます。

net/http パッケージ

net/http パッケージは、HTTPクライアントとサーバーの実装を提供します。Webアプリケーションの構築やHTTPリクエストの送信に広く利用されます。このパッケージは、リクエストの処理、コネクションの管理、レスポンスの送信など、多くの内部処理でゴルーチンを積極的に利用します。例えば、HTTPサーバーは各リクエストを新しいゴルーチンで処理することが一般的です。

testing パッケージと go test

Goの標準ライブラリには、テストを記述するための testing パッケージが含まれています。テスト関数は Test で始まる名前を持ち、*testing.T 型の引数を取ります。go test コマンドは、プロジェクト内のテストファイル(_test.go で終わるファイル)を自動的に発見し、実行します。

testing.Short()go test -short

testing.Short() 関数は、go test コマンドに -short フラグが渡された場合に true を返します。このフラグは、テストスイート全体を高速に実行したい場合に利用されます。通常、時間のかかるテスト(例:ネットワークアクセス、ファイルI/O、大規模な計算、または不安定なテスト)は、testing.Short() の結果に基づいてスキップされるように実装されます。これにより、開発者は変更を加えるたびに、すべてのテストを待つことなく、主要なテストが迅速に実行されることを確認できます。

ゴルーチンリーク (Goroutine Leak)

ゴルーチンリークとは、起動されたゴルーチンが期待通りに終了せず、実行され続けてしまう状態を指します。これは、チャネルの送受信がブロックされたままになったり、無限ループに陥ったり、リソースが適切にクローズされなかったりする場合に発生します。ゴルーチンがリークすると、そのゴルーチンが使用しているメモリやその他のリソースが解放されず、アプリケーション全体のメモリ使用量が増加し続け、最終的にはメモリ不足やパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。

z_last_test.go ファイル

Goのテストファイルはアルファベット順に実行されます。z_last_test.go のようにファイル名の先頭に z_ を付ける慣習は、そのファイル内のテストがテストスイートの最後に実行されることを保証するために用いられます。これは、他のすべてのテストが完了した後に、全体的な状態(この場合は残存ゴルーチン)を検証するようなテストに特に有用です。

技術的詳細

net/http パッケージの TestGoroutinesRunning 関数は、Goのテストフレームワークとランタイムの内部機能を利用してゴルーチンリークを検出します。

  1. interestingGoroutines() 関数: この関数は、現在のプロセスで実行中のすべてのゴルーチンを列挙し、そのスタックトレースを分析します。特に、net/http パッケージに関連するゴルーチンや、テストの終了時に通常は存在しないはずのゴルーチンを「興味深い(interesting)」ものとしてフィルタリングします。このフィルタリングは、テストのノイズを減らし、実際にリークしている可能性のあるゴルーチンに焦点を当てるために重要です。

  2. ゴルーチン数の比較: TestGoroutinesRunning は、interestingGoroutines() が返すゴルーチンのリストの数を監視します。理想的には、すべてのテストが完了した後、net/http パッケージに関連するゴルーチンはすべて終了しているべきであり、このリストは空になるか、非常に少ない数になるはずです。

  3. 不安定性の原因:

    • タイミングの問題: ネットワーク操作や並行処理を含むテストでは、ゴルーチンが完全に終了するまでにわずかな遅延が生じることがあります。TestGoroutinesRunning がゴルーチンをチェックするタイミングが早すぎると、まだ終了処理中のゴルーチンをリークと誤認する可能性があります。
    • テストの相互作用: 複数のテストが複雑な方法で相互作用する場合、あるテストが開始したゴルーチンが、別のテストの終了後も予期せず存続してしまうことがあります。
    • デバッグの困難さ: ゴルーチンリークは、再現が困難な競合状態やデッドロックに起因することが多く、スタックトレースだけでは原因特定が難しい場合があります。特に、テストが失敗するたびに詳細なスタックトレースを分析し、その原因を特定するのは非常に時間と労力がかかります。

このコミットは、このような不安定性に対処するための一時的な措置として、testing.Short() モードでのゴルーチンリークチェックを無効にしました。これは、開発者が日常的に実行する高速なテストサイクルにおいて、不必要な失敗やデバッグのオーバーヘッドを避けるためのものです。完全なゴルーチンリークチェックは、より包括的なCI/CDパイプラインや、開発の最終段階で実行されるフルテストスイートに委ねられることになります。コミットメッセージにある「Later. This tangent has taken enough time.」という記述は、この問題の根本的な解決にはさらなる時間と労力が必要であり、一旦は実用性を優先したことを示唆しています。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/pkg/net/http/z_last_test.go ファイルの TestGoroutinesRunning 関数内で行われました。

func TestGoroutinesRunning(t *testing.T) {
	if testing.Short() { // ここが追加された行
		t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode") // ここが追加された行
	} // ここが追加された行
	gs := interestingGoroutines()

	n := 0
	// ... (既存のゴルーチンチェックロジック)
}

コアとなるコードの解説

追加されたコードは非常にシンプルですが、その影響は大きいです。

if testing.Short() {
	t.Skip("not counting goroutines for leakage in -short mode")
}
  • testing.Short(): この関数は、go test コマンドが -short フラグ付きで実行された場合に true を返します。
  • t.Skip(...): *testing.T 型のメソッドで、このメソッドが呼び出されると、現在のテスト関数はそれ以上実行されずにスキップされます。引数として渡された文字列は、テスト結果の出力に表示され、なぜテストがスキップされたのかを説明します。

このコードブロックが TestGoroutinesRunning 関数の冒頭に追加されたことで、go test -short が実行されると、このゴルーチンリーク検出テストは即座にスキップされます。これにより、不安定なゴルーチンリークチェックが高速なテストサイクルを妨げることがなくなりました。

この変更は、テストの網羅性を犠牲にして、開発者の生産性を向上させるためのトレードオフです。完全なゴルーチンリークチェックは、より時間のかかるフルテストスイートで引き続き実行されることが期待されます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語公式ドキュメント: testing パッケージ: https://pkg.go.dev/testing
  • Go言語公式ドキュメント: net/http パッケージ: https://pkg.go.dev/net/http
  • A Tour of Go - Concurrency (Goroutines): https://go.dev/tour/concurrency/1
  • Goにおけるゴルーチンリークのデバッグに関する一般的な情報源 (例: ブログ記事、Stack Overflowなど)
    • (具体的なURLはWeb検索結果によるが、一般的な概念として参照)
  • go test -short の利用に関する一般的な情報源 (例: ブログ記事、Goのチュートリアルなど)
    • (具体的なURLはWeb検索結果によるが、一般的な概念として参照)