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[インデックス 16959] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるtimeパッケージにおける、タイムゾーンオフセットの秒単位の扱いに関する変更を、Go 1.2のリリースノートに追加するものです。具体的には、time.Parseおよびtime.Format関数が、秒単位のタイムゾーンオフセット(例: +09:00:00)を適切に処理できるようになることを記述しています。

コミット

commit 727901410a9394b5c6d8f844321eb651cfa4abca
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Wed Jul 31 14:33:34 2013 -0700

    doc/go1.2.txt: add time zone offsets with seconds
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/12174043
---
 doc/go1.2.txt | 1 +
 1 file changed, 1 insertion(+)

diff --git a/doc/go1.2.txt b/doc/go1.2.txt
index dd8aeb5022..df36a05da0 100644
--- a/doc/go1.2.txt
+++ b/doc/go1.2.txt
@@ -29,4 +29,5 @@ net: new build tag netgo for building a pure Go net package (CL 7100050).\n sort: new Stable function provides stable sort (CL 9612044).\n syscall: implemented Sendfile for Darwin, added Syscall9 for Darwin/amd64 (CL 10980043).\n testing: AllocsPerRun is now quantized to an integer (the type is still float64) (CL 9837049).\n+time: Allow Parse and Format to handle time zone offsets with seconds (CL 8132044)\n unicode: add In, a nicer-to-use but equivalent version of IsOneOf (CL 11672044).\n```

## GitHub上でのコミットページへのリンク

[https://github.com/golang/go/commit/727901410a9394b5c6d8f844321eb651cfa4abca](https://github.com/golang/go/commit/727901410a9394b5c6d8f844321eb651cfa4abca)

## 元コミット内容

`doc/go1.2.txt: add time zone offsets with seconds`

このコミットは、Go 1.2のリリースノートファイル `doc/go1.2.txt` に、`time`パッケージの変更点として「`Parse`および`Format`関数が秒単位のタイムゾーンオフセットを処理できるようになる」という記述を追加するものです。

## 変更の背景

Go言語の`time`パッケージは、日付と時刻の解析およびフォーマットにおいて非常に強力な機能を提供します。しかし、初期のバージョンでは、タイムゾーンオフセットの表現が時と分(例: `+0900` や `+09:00`)に限定されていました。国際的な標準や特定のシステムでは、タイムゾーンオフセットが秒単位まで指定される場合があります(例: `+09:00:30`)。このような形式のタイムゾーンオフセットを持つ文字列を`time.Parse`で正確に解析したり、`time.Format`で出力したりすることができませんでした。

この制限は、特に異なるシステムやプログラミング言語間で時刻データを交換する際に問題となる可能性がありました。例えば、ISO 8601などの標準では、タイムゾーンオフセットに秒を含めることが許容されています。Goがこれらの標準に準拠し、より広範な時刻フォーマットをサポートするためには、秒単位のタイムゾーンオフセットの処理が必要不可欠でした。

このコミットは、その機能追加(CL 8132044)がGo 1.2の重要な変更点の一つであることを公式ドキュメントに明記するために行われました。これにより、開発者はGo 1.2以降で秒単位のタイムゾーンオフセットを安心して利用できるようになります。

## 前提知識の解説

### タイムゾーンオフセット

タイムゾーンオフセットとは、協定世界時(UTC: Coordinated Universal Time)からの時間のずれを示すものです。通常、`+HHMM`や`+HH:MM`の形式で表現され、`HH`は時間、`MM`は分を表します。例えば、日本の標準時(JST)はUTCより9時間進んでいるため、`+0900`または`+09:00`と表記されます。

しかし、一部のタイムゾーンや歴史的な経緯により、オフセットが分単位だけでなく、秒単位まで指定される場合があります。例えば、過去にはネパール標準時がUTC+05:45:00ではなくUTC+05:45:20であった時期があるなど、秒単位のオフセットが存在するケースがあります。

### Go言語の`time`パッケージ

Go言語の`time`パッケージは、日付と時刻を扱うための基本的な機能を提供します。主要な関数には以下のようなものがあります。

*   **`time.Parse(layout, value string) (Time, error)`**: 指定された`layout`(フォーマット文字列)に従って、`value`文字列を`time.Time`型に解析します。
*   **`time.Format(layout string) string`**: `time.Time`型の値を、指定された`layout`に従って文字列にフォーマットします。

これらの関数は、特定のフォーマット文字列(レイアウト)を使用して、日付と時刻の各要素(年、月、日、時、分、秒、タイムゾーンなど)をどのように解釈・表現するかを定義します。レイアウトは、参照時刻 `Mon Jan 2 15:04:05 MST 2006` を基準として定義されます。例えば、`"2006-01-02"` は `YYYY-MM-DD` 形式を表します。

### タイムゾーンオフセットのレイアウト表現

`time`パッケージのレイアウト文字列では、タイムゾーンオフセットを表現するためにいくつかの要素が用意されています。

*   `Z0700`: UTCからのオフセットを `+HHMM` 形式で表します(例: `+0900`)。
*   `Z07:00`: UTCからのオフセットを `+HH:MM` 形式で表します(例: `+09:00`)。
*   `Z07`: UTCからのオフセットを `+HH` 形式で表します(例: `+09`)。

このコミット以前は、秒単位のオフセット(例: `+09:00:00`)を直接扱うためのレイアウト要素が不足していました。

## 技術的詳細

このコミットが参照している元の変更(CL 8132044)は、Go言語の`time`パッケージ内部で、タイムゾーンオフセットの解析とフォーマットロジックを拡張したものです。具体的には、`time.Parse`および`time.Format`関数が、秒単位のタイムゾーンオフセットを表現する新しいレイアウト要素を認識し、処理できるようになりました。

この機能追加により、`time`パッケージは以下のような形式のタイムゾーンオフセットを扱うことができるようになりました。

*   `+HH:MM:SS` (例: `+09:00:00`)
*   `+HHMMSS` (例: `+090000`)

これは、特にISO 8601などの国際標準で定義されている、より厳密な時刻表現に対応するために重要です。例えば、`2023-10-27T10:00:00+09:00:00` のような文字列をGoで直接解析できるようになります。

内部的には、`time`パッケージの解析エンジンが、タイムゾーンオフセット部分をパースする際に、秒の有無を判断し、存在する場合はその秒数もオフセット計算に含めるように変更されました。同様に、フォーマット時には、秒単位のオフセットが必要な場合に適切に出力されるようになります。

この変更は、`time`パッケージの柔軟性と互換性を向上させ、Goアプリケーションがより多様な時刻データ形式を扱うことを可能にしました。

## コアとなるコードの変更箇所

このコミット自体は、Go 1.2のリリースノートファイル `doc/go1.2.txt` のみを変更しています。

```diff
--- a/doc/go1.2.txt
+++ b/doc/go1.2.txt
@@ -29,4 +29,5 @@ net: new build tag netgo for building a pure Go net package (CL 7100050).\n sort: new Stable function provides stable sort (CL 9612044).\n syscall: implemented Sendfile for Darwin, added Syscall9 for Darwin/amd64 (CL 10980043).\n testing: AllocsPerRun is now quantized to an integer (the type is still float64) (CL 9837049).\n+time: Allow Parse and Format to handle time zone offsets with seconds (CL 8132044)\n unicode: add In, a nicer-to-use but equivalent version of IsOneOf (CL 11672044).\n```

追加された行は以下の通りです。

`+time: Allow Parse and Format to handle time zone offsets with seconds (CL 8132044)`

これは、Go 1.2のリリースノートに、`time`パッケージの変更点として「`Parse`および`Format`関数が秒単位のタイムゾーンオフセットを処理できるようになる」という記述を追加するものです。

## コアとなるコードの解説

このコミット自体はドキュメントの変更であり、Go言語のランタイムやライブラリのソースコードに直接的な機能変更を加えるものではありません。しかし、このドキュメントの変更が指し示している「コアとなるコードの変更」は、Goの`time`パッケージ、特に`time.Parse`と`time.Format`関数の内部実装におけるタイムゾーンオフセットの処理ロジックの拡張です。

具体的な変更は、コミットメッセージに記載されているChange List (CL) 番号 `8132044` に対応するものです。このCLでは、`time`パッケージのレイアウト解析ロジックが更新され、タイムゾーンオフセットの秒部分を認識し、それを時間オフセットの計算に含めるようになりました。これにより、`time.Parse`は `+HH:MM:SS` 形式のオフセットを持つ時刻文字列を正しく解析できるようになり、`time.Format`は同様の形式で時刻を出力できるようになりました。

この変更は、`time`パッケージがより広範な時刻フォーマットに対応し、国際的なデータ交換の要件を満たす上で重要な改善でした。

## 関連リンク

*   Go 1.2 リリースノート: [https://go.dev/doc/go1.2](https://go.dev/doc/go1.2) (このコミットが変更したドキュメントの最終版)
*   元の機能追加のChange List (CL): [https://golang.org/cl/8132044](https://golang.org/cl/8132044)

## 参考にした情報源リンク

*   Go言語公式ドキュメント: `time`パッケージ: [https://pkg.go.dev/time](https://pkg.go.dev/time)
*   ISO 8601 - Wikipedia: [https://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_8601](https://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_8601)
*   Go 1.2 Release Notes (英語): [https://go.dev/doc/go1.2](https://go.dev/doc/go1.2)
*   Go Change List 8132044 (time: allow Parse and Format to handle time zone offsets with seconds): [https://go-review.googlesource.com/c/go/+/8132044](https://go-review.googlesource.com/c/go/+/8132044) (これは`golang.org/cl/8132044`のリダイレクト先です)
*   Go Time Package Layouts: [https://pkg.go.dev/time#pkg-constants](https://pkg.go.dev/time#pkg-constants) (レイアウト文字列に関する公式ドキュメント)
*   タイムゾーン - Wikipedia: [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3)
*   協定世界時 - Wikipedia: [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%AE%9A%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%99%82](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%AE%9A%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%99%82)I have generated the detailed technical explanation in Markdown format, following all the specified instructions and including all the required sections. The output is printed to standard output only, as requested.