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[インデックス 17176] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ bufio パッケージにおける Reader および Writer 型に Reset メソッドが追加されたことを、Go 1.2のリリースノート (doc/go1.2.txt) に追記するものです。これは、既存のバッファを再利用して新しいI/O操作を開始できるようにすることで、メモリ割り当てを削減し、パフォーマンスを向上させるための重要な変更です。

コミット

  • コミットハッシュ: 306c29e963c6d236f0fcfa4fb82cdb85837add26
  • Author: Rob Pike r@golang.org
  • Date: Tue Aug 13 13:39:45 2013 +1000
  • コミットメッセージ: 
    doc/go1.2.txt: bufio.{Writer,Reader}.Reset

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12830043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/306c29e963c6d236f0fcfa4fb82cdb85837add26

元コミット内容

doc/go1.2.txt: bufio.{Writer,Reader}.Reset

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12830043

変更の背景

このコミット自体はドキュメントの更新ですが、その背景にはGo 1.2で bufio.Reader と bufio.Writer に Reset メソッドが追加されたという重要な機能変更があります。

bufio パッケージの Reader と Writer は、それぞれ io.Reader と io.Writer の上にバッファリング層を追加し、I/O操作の効率を高めます。しかし、これまでのバージョンでは、一度作成された Reader や Writer オブジェクトを異なる基盤となる io.Reader や io.Writer に対して再利用することが困難でした。新しいI/Oストリームを処理するためには、通常、新しい bufio.Reader や bufio.Writer のインスタンスを生成する必要がありました。

このインスタンス生成は、特に大量のI/O操作を繰り返すアプリケーションにおいて、ガベージコレクションの負荷を増やし、パフォーマンスのオーバーヘッドを引き起こす可能性がありました。Reset メソッドの導入は、この問題を解決するために行われました。Reset メソッドを使用することで、既存の bufio.Reader や bufio.Writer の内部バッファを保持したまま、新しい基盤となる io.Reader や io.Writer に関連付けることができるようになります。これにより、オブジェクトの再利用が可能になり、メモリ割り当ての削減とパフォーマンスの向上が期待されます。

このドキュメント更新は、Go 1.2のリリースノートにこの重要な変更を明記し、開発者がこの新機能の存在と利用方法を認識できるようにすることを目的としています。

前提知識の解説

Go言語の io パッケージ

Go言語の io パッケージは、I/Oプリミティブを提供します。最も基本的なインターフェースは io.Reader と io.Writer です。

  • io.Reader: データを読み込むためのインターフェースで、Read(p []byte) (n int, err error) メソッドを持ちます。
  • io.Writer: データを書き込むためのインターフェースで、Write(p []byte) (n int, err error) メソッドを持ちます。

これらのインターフェースは、ファイル、ネットワーク接続、メモリバッファなど、様々なデータソースやシンクに対して統一的なI/O操作を提供します。

Go言語の bufio パッケージ

bufio パッケージは、io.Reader や io.Writer の上にバッファリング層を追加することで、I/O操作の効率を向上させるための機能を提供します。バッファリングは、小さなI/O操作が頻繁に発生する場合に特に有効です。

  • bufio.Reader: io.Reader をラップし、内部バッファを使用してデータを効率的に読み込みます。例えば、ReadByte や ReadLine のようなメソッドは、基盤となるリーダーから一度に多くのデータを読み込み、それをバッファに格納することで、個々のバイトや行の読み込みを高速化します。
  • bufio.Writer: io.Writer をラップし、内部バッファにデータを一時的に書き込み、バッファがいっぱいになったときや Flush メソッドが呼び出されたときに、まとめて基盤となるライターに書き込みます。これにより、システムコール（ディスクI/OやネットワークI/O）の回数を減らし、書き込みパフォーマンスを向上させます。

Reset メソッドの概念

プログラミングにおける Reset メソッドは、オブジェクトの状態を初期状態に戻したり、新しい入力/出力ソースに再関連付けたりするために使用されることが多いです。特に、内部にバッファやリソースを持つオブジェクトの場合、Reset メソッドは既存のリソースを解放せずに再利用することを可能にし、メモリ割り当てのオーバーヘッドを削減し、ガベージコレクションの頻度を減らすことで、パフォーマンスを向上させます。

bufio パッケージにおける Reset メソッドは、bufio.Reader や bufio.Writer が保持している内部バッファをクリアし、新しい io.Reader または io.Writer に関連付ける機能を提供します。これにより、新しい bufio.Reader や bufio.Writer を作成する代わりに、既存のインスタンスを再利用できるようになります。

技術的詳細

Go 1.2で bufio.Reader と bufio.Writer に追加された Reset メソッドは、以下のようなシグネチャを持ちます。

  • func (b *Reader) Reset(r io.Reader): このメソッドは、bufio.Reader の内部状態をリセットし、新しい基盤となる io.Reader r に関連付けます。具体的には、内部バッファの読み込み位置と書き込み位置をリセットし、バッファ内の既存のデータを無効にします。これにより、b は r からの新しい読み込み操作を開始する準備が整います。このメソッドは、bufio.NewReaderSize や bufio.NewReader で新しい Reader を作成する代わりに、既存の Reader オブジェクトを再利用する際に非常に役立ちます。

  • func (b *Writer) Reset(w io.Writer): このメソッドは、bufio.Writer の内部状態をリセットし、新しい基盤となる io.Writer w に関連付けます。内部バッファに書き込まれていた未フラッシュのデータは破棄されます。これにより、b は w への新しい書き込み操作を開始する準備が整います。このメソッドも、bufio.NewWriterSize や bufio.NewWriter で新しい Writer を作成する代わりに、既存の Writer オブジェクトを再利用する際に使用されます。

これらの Reset メソッドの導入により、特にループ内で多数のI/Oストリームを処理する場合など、頻繁に bufio.Reader や bufio.Writer のインスタンスが必要となるシナリオで、メモリ割り当てとガベージコレクションのオーバーヘッドを大幅に削減できるようになりました。これは、Goアプリケーションの全体的なパフォーマンス向上に貢献します。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットは、doc/go1.2.txt ファイルに対する変更です。

--- a/doc/go1.2.txt
+++ b/doc/go1.2.txt
@@ -14,6 +14,7 @@ cmd/cgo, cmd/go: support including C++ code with cgo (CL 8248043).
 cmd/gc: make missing package error fatal (CL 12677043).
 cmd/go: test coverage (CL 10413044).
 
+bufio: add Reset methods to Reader and Writer (CL 12603049).
 compress/bzip2: support concatenated files (CL 12387044).
 container/heap: added Fix (CL 12265043).
 container/list: added MoveBefore and MoveAfter (CL 12021044).

コアとなるコードの解説

上記の差分は、doc/go1.2.txt ファイルに以下の行が追加されたことを示しています。

bufio: add Reset methods to Reader and Writer (CL 12603049).

これは、Go 1.2のリリースノートの一部であり、bufio パッケージに Reader と Writer の Reset メソッドが追加されたことを公式に記録しています。括弧内の CL 12603049 は、実際にこの機能が実装された変更リスト（Change List）のIDを指しています。このドキュメントの更新は、Go 1.2のユーザーがこの新しいAPIの存在を認識し、その恩恵を受けられるようにするためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go 1.2 Release Notes (公式ドキュメント): https://golang.org/doc/go1.2 (このコミットが更新したファイルの内容を含む)
  • Go bufio package documentation: https://pkg.go.dev/bufio
  • Go io package documentation: https://pkg.go.dev/io
  • Go言語の bufio パッケージに関する一般的な情報源 (例: ブログ記事、チュートリアルなど)
    • Go言語の bufio パッケージの Reader と Writer の Reset メソッドに関する情報 (Go 1.2の変更点として言及されている可能性のあるもの)
    • Go言語のI/Oとバッファリングに関する一般的な解説# [インデックス 17176] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ bufio パッケージにおける Reader および Writer 型に Reset メソッドが追加されたことを、Go 1.2のリリースノート (doc/go1.2.txt) に追記するものです。これは、既存のバッファを再利用して新しいI/O操作を開始できるようにすることで、メモリ割り当てを削減し、パフォーマンスを向上させるための重要な変更です。

コミット

  • コミットハッシュ: 306c29e963c6d236f0fcfa4fb82cdb85837add26
  • Author: Rob Pike r@golang.org
  • Date: Tue Aug 13 13:39:45 2013 +1000
  • コミットメッセージ: 
    doc/go1.2.txt: bufio.{Writer,Reader}.Reset

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12830043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/306c29e963c6d236f0fcfa4fb82cdb85837add26

元コミット内容

doc/go1.2.txt: bufio.{Writer,Reader}.Reset

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/12830043

変更の背景

このコミット自体はドキュメントの更新ですが、その背景にはGo 1.2で bufio.Reader と bufio.Writer に Reset メソッドが追加されたという重要な機能変更があります。

bufio パッケージの Reader と Writer は、それぞれ io.Reader と io.Writer の上にバッファリング層を追加し、I/O操作の効率を高めます。しかし、これまでのバージョンでは、一度作成された Reader や Writer オブジェクトを異なる基盤となる io.Reader や io.Writer に対して再利用することが困難でした。新しいI/Oストリームを処理するためには、通常、新しい bufio.Reader や bufio.Writer のインスタンスを生成する必要がありました。

このインスタンス生成は、特に大量のI/O操作を繰り返すアプリケーションにおいて、ガベージコレクションの負荷を増やし、パフォーマンスのオーバーヘッドを引き起こす可能性がありました。Reset メソッドの導入は、この問題を解決するために行われました。Reset メソッドを使用することで、既存の bufio.Reader や bufio.Writer の内部バッファを保持したまま、新しい基盤となる io.Reader や io.Writer に関連付けることができるようになります。これにより、オブジェクトの再利用が可能になり、メモリ割り当ての削減とパフォーマンスの向上が期待されます。

このドキュメント更新は、Go 1.2のリリースノートにこの重要な変更を明記し、開発者がこの新機能の存在と利用方法を認識できるようにすることを目的としています。

前提知識の解説

Go言語の io パッケージ

Go言語の io パッケージは、I/Oプリミティブを提供します。最も基本的なインターフェースは io.Reader と io.Writer です。

  • io.Reader: データを読み込むためのインターフェースで、Read(p []byte) (n int, err error) メソッドを持ちます。
  • io.Writer: データを書き込むためのインターフェースで、Write(p []byte) (n int, err error) メソッドを持ちます。

これらのインターフェースは、ファイル、ネットワーク接続、メモリバッファなど、様々なデータソースやシンクに対して統一的なI/O操作を提供します。

Go言語の bufio パッケージ

bufio パッケージは、io.Reader や io.Writer の上にバッファリング層を追加することで、I/O操作の効率を向上させます。バッファリングは、小さなI/O操作が頻繁に発生する場合に特に有効です。

  • bufio.Reader: io.Reader をラップし、内部バッファを使用してデータを効率的に読み込みます。例えば、ReadByte や ReadLine のようなメソッドは、基盤となるリーダーから一度に多くのデータを読み込み、それをバッファに格納することで、個々のバイトや行の読み込みを高速化します。
  • bufio.Writer: io.Writer をラップし、内部バッファにデータを一時的に書き込み、バッファがいっぱいになったときや Flush メソッドが呼び出されたときに、まとめて基盤となるライターに書き込みます。これにより、システムコール（ディスクI/OやネットワークI/O）の回数を減らし、書き込みパフォーマンスを向上させます。

Reset メソッドの概念

プログラミングにおける Reset メソッドは、オブジェクトの状態を初期状態に戻したり、新しい入力/出力ソースに再関連付けたりするために使用されることが多いです。特に、内部にバッファやリソースを持つオブジェクトの場合、Reset メソッドは既存のリソースを解放せずに再利用することを可能にし、メモリ割り当てのオーバーヘッドを削減し、ガベージコレクションの頻度を減らすことで、パフォーマンスを向上させます。

bufio パッケージにおける Reset メソッドは、bufio.Reader や bufio.Writer が保持している内部バッファをクリアし、新しい io.Reader または io.Writer に関連付ける機能を提供します。これにより、新しい bufio.Reader や bufio.Writer を作成する代わりに、既存のインスタンスを再利用できるようになります。

技術的詳細

Go 1.2で bufio.Reader と bufio.Writer に追加された Reset メソッドは、以下のようなシグネチャを持ちます。

  • func (b *Reader) Reset(r io.Reader): このメソッドは、bufio.Reader の内部状態をリセットし、新しい基盤となる io.Reader r に関連付けます。具体的には、内部バッファの読み込み位置と書き込み位置をリセットし、バッファ内の既存のデータを無効にします。これにより、b は r からの新しい読み込み操作を開始する準備が整います。このメソッドは、bufio.NewReaderSize や bufio.NewReader で新しい Reader を作成する代わりに、既存の Reader オブジェクトを再利用する際に非常に役立ちます。Reset がゼロ値の Reader に対して呼び出された場合、内部バッファはデフォルトサイズで初期化されます。

  • func (b *Writer) Reset(w io.Writer): このメソッドは、bufio.Writer の内部状態をリセットし、新しい基盤となる io.Writer w に関連付けます。内部バッファに書き込まれていた未フラッシュのデータは破棄されます。これにより、b は w への新しい書き込み操作を開始する準備が整います。このメソッドも、bufio.NewWriterSize や bufio.NewWriter で新しい Writer を作成する代わりに、既存の Writer オブジェクトを再利用する際に使用されます。Reset がゼロ値の Writer に対して呼び出された場合、内部バッファはデフォルトサイズで初期化されます。

これらの Reset メソッドの導入により、特にループ内で多数のI/Oストリームを処理する場合など、頻繁に bufio.Reader や bufio.Writer のインスタンスが必要となるシナリオで、メモリ割り当てとガベージコレクションのオーバーヘッドを大幅に削減できるようになりました。これは、Goアプリケーションの全体的なパフォーマンス向上に貢献します。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットは、doc/go1.2.txt ファイルに対する変更です。

--- a/doc/go1.2.txt
+++ b/doc/go1.2.txt
@@ -14,6 +14,7 @@ cmd/cgo, cmd/go: support including C++ code with cgo (CL 8248043).
 cmd/gc: make missing package error fatal (CL 12677043).
 cmd/go: test coverage (CL 10413044).
 
+bufio: add Reset methods to Reader and Writer (CL 12603049).
 compress/bzip2: support concatenated files (CL 12387044).
 container/heap: added Fix (CL 12265043).
 container/list: added MoveBefore and MoveAfter (CL 12021044).

コアとなるコードの解説

上記の差分は、doc/go1.2.txt ファイルに以下の行が追加されたことを示しています。

bufio: add Reset methods to Reader and Writer (CL 12603049).

これは、Go 1.2のリリースノートの一部であり、bufio パッケージに Reader と Writer の Reset メソッドが追加されたことを公式に記録しています。括弧内の CL 12603049 は、実際にこの機能が実装された変更リスト（Change List）のIDを指しています。このドキュメントの更新は、Go 1.2のユーザーがこの新しいAPIの存在を認識し、その恩恵を受けられるようにするためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go 1.2 Release Notes (公式ドキュメント): https://golang.org/doc/go1.2 (このコミットが更新したファイルの内容を含む)
  • Go bufio package documentation: https://pkg.go.dev/bufio
  • Go io package documentation: https://pkg.go.dev/io
  • Web search results for "Go 1.2 bufio.Reader.Reset bufio.Writer.Reset purpose benefits":
    • go.dev (https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQFkoRKCg6Bl-uFXYnAaD4jZYtyJacOMWdBob_Y1O0kU4FC57ydmqxUYwWTcJ2Mu0afbOUuo8s1wus2HqwMfoA4ytYuP6F3jzCrfF0YKBdHfSoaS)
    • google.com (https://vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/AUZIYQFaLWf1rQWutQy-5a4EfLUvxHzsRPAl6nt04_zYrOYHesKoe-Pu0toas9fuUKMQSyH2nd8Y_7IhpUqlLINh9n-E87VrVReGRgxRNf-nbc6chmnpTkx2shGvDoZ5ornBcVzLAtZEJ4n_laQUKcZaCe1umyoFChkh)
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