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[インデックス 18959] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール cmd/go のヘルプドキュメントにおける単純なタイプミスを修正するものです。具体的には、リポジトリのインポートパスの例で誤って example.com と記述されていた箇所を example.org に修正しています。

コミット

commit 61f2fabd3824e32d4ca23c6f08c200c21de4bd10
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Wed Mar 26 17:18:59 2014 +1100

    cmd/go: fix typo in help doc
    Fixes #7519.
    
    LGTM=adg, mikioh.mikioh
    R=golang-codereviews, adg, mikioh.mikioh
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/80370043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/61f2fabd3824e32d4ca23c6f08c200c21de4bd10

元コミット内容

cmd/go: fix typo in help doc
Fixes #7519.

LGTM=adg, mikioh.mikioh
R=golang-codereviews, adg, mikioh.mikioh
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/80370043

変更の背景

この変更は、Go言語の公式Issueトラッカーで報告されたIssue #7519に対応するものです。Issue #7519は、go help importpath コマンドで表示されるドキュメント内に存在するタイプミス、具体的には example.com/repo という誤ったドメインが使用されていることを指摘していました。

Go言語のドキュメントは、ユーザーがGoツールを正しく理解し、効果的に使用するために非常に重要です。特に go help コマンドは、Goの各サブコマンドや概念に関する詳細な情報を提供する主要な手段です。このような公式ドキュメント内のタイプミスは、ユーザーの混乱を招く可能性があり、正確性が求められます。

このコミットは、Go言語の主要な貢献者の一人であるRob Pike氏によって行われました。これは、たとえ小さなタイプミスであっても、公式ドキュメントの品質維持がいかに重要視されているかを示しています。

前提知識の解説

  • cmd/go: Go言語の公式コマンドラインツールです。Goプログラムのビルド、テスト、実行、パッケージ管理、ドキュメント表示など、Go開発における多岐にわたるタスクを処理します。go build, go run, go test, go get, go mod など、様々なサブコマンドを提供します。
  • go help: cmd/go ツールの一部であり、Goのコマンドや概念に関するヘルプドキュメントを表示するために使用されます。例えば、go help buildgo build コマンドに関する詳細を表示し、go help importpath はGoのパッケージインポートパスの解決に関する情報を提供します。
  • インポートパス (Import Path): Go言語において、パッケージを一意に識別するための文字列です。通常、バージョン管理システムのリポジトリパスとディレクトリ構造を組み合わせた形式で表現されます。例えば、github.com/user/repo/package のようになります。
  • Issueトラッカー (Fixes #7519): ソフトウェア開発において、バグ報告、機能要望、改善提案などを管理するためのシステムです。GoプロジェクトではGitHub Issuesが使用されており、Fixes #XXXX という記述は、そのコミットが特定のIssueを解決したことを示します。
  • コードレビュープロセス (LGTM, R, CC): Goプロジェクトでは厳格なコードレビュープロセスが採用されています。
    • LGTM (Looks Good To Me): レビュー担当者が変更内容を承認したことを示します。このコミットでは adg (Andrew Gerrand) と mikioh.mikioh (Mikio Hara) が承認しています。
    • R (Reviewers): コードレビューを依頼されたレビュアーを示します。golang-codereviews はGoプロジェクトのコードレビューメーリングリスト、adgmikioh.mikioh は個別のレビュアーです。
    • CC (Carbon Copy): 変更内容を通知したい追加の受信者を示します。
  • golang.org/cl/80370043: Goプロジェクトでは、変更はまずGerritというコードレビューシステムにアップロードされ、そこでレビューが行われます。golang.org/cl/ はGerrit上の変更リスト(Change List, CL)へのリンクです。このリンクは、このコミットがGerrit上でどのようにレビューされ、最終的にマージされたかを示すものです。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Goツールのドキュメント生成と表示の仕組みに焦点を当てています。cmd/go のヘルプドキュメントは、Goのソースコード内に直接埋め込まれているか、またはGoのツールチェーンによって生成されるファイルに記述されています。

この特定のケースでは、src/cmd/go/doc.gosrc/cmd/go/help.go の2つのファイルが変更されています。これらのファイルは、go help コマンドがユーザーに表示するテキストコンテンツを定義しています。

  • src/cmd/go/doc.go: Goのパッケージドキュメントを生成するためのGoソースファイルです。このファイルには、go doc コマンドや go help コマンドで参照される一般的なGoの概念やツールの説明が含まれています。
  • src/cmd/go/help.go: go help コマンドの具体的な実装と、各サブコマンドのヘルプテキストを定義するファイルです。

変更内容は、example.com/repo という文字列を example.org/repo に置き換えるという非常に単純なものです。これは、ドメイン名 example.com が商業的な利用を意図しているのに対し、example.org は非営利団体やオープンソースプロジェクトで一般的に使用されることを考慮した、より適切な例示ドメインへの修正と考えられます。RFC 2606で定義されている予約済みトップレベルドメイン(TLD)には、example.com, example.net, example.org が含まれており、これらはドキュメントや例示目的での使用が推奨されています。この修正は、ドキュメントの正確性と、Goプロジェクトが推奨する慣習に沿った例示の使用を徹底するためのものです。

コアとなるコードの変更箇所

変更は以下の2つのファイルにわたって行われています。

  1. src/cmd/go/doc.go
  2. src/cmd/go/help.go

それぞれのファイルで、example.com/repo という文字列が example.org/repo に変更されています。

--- a/src/cmd/go/doc.go
+++ b/src/cmd/go/doc.go
@@ -652,7 +652,7 @@ example.org/user/foo or foo.hg, and
 	import "example.org/repo.git/foo/bar"
 
 denotes the foo/bar directory of the Git repository at
-example.com/repo or repo.git.
+example.org/repo or repo.git.
 
 When a version control system supports multiple protocols,
 each is tried in turn when downloading.  For example, a Git
--- a/src/cmd/go/help.go
+++ b/src/cmd/go/help.go
@@ -182,7 +182,7 @@ example.org/user/foo or foo.hg, and
 	import "example.org/repo.git/foo/bar"
 
 denotes the foo/bar directory of the Git repository at
-example.com/repo or repo.git.
+example.org/repo or repo.git.
 
 When a version control system supports multiple protocols,
 each is tried in turn when downloading.  For example, a Git

コアとなるコードの解説

変更されたコードは、Goのインポートパスの例を説明するテキストの一部です。

元のコードでは、Gitリポジトリの例として example.com/repo が使用されていました。これは、Goの go get コマンドがどのようにリモートリポジトリからパッケージを取得するかを説明する文脈で登場します。

修正後のコードでは、この例が example.org/repo に変更されています。この変更は機能的な影響は一切なく、単にドキュメントの正確性と、例示としてより適切とされるドメインを使用するためのものです。example.org は、RFC 2606で定義されている「予約済みトップレベルドメイン」の一つであり、ドキュメントやテスト目的での使用が推奨されています。これにより、ユーザーが例示されたパスを実際に試そうとした際に、意図しない外部サービスへのアクセスや混乱を避けることができます。

この修正は、Goプロジェクトがドキュメントの細部にまで注意を払い、ユーザーエクスペリエンスを向上させようとする姿勢を示しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • GitHubのGoリポジトリ
  • IETF RFC 2606
  • Gerrit Code Review Systemの一般的な情報