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[インデックス 19313] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである net/url パッケージ内の Values.Add メソッドのドキュメンテーションを修正するものです。具体的には、メソッドの動作に関する説明の誤りを訂正し、より正確な情報を提供するように変更されています。

コミット

commit e3eee85b0d4010be0a1a24fb6a423945c156fb3d
Author: Ian Lance Taylor <iant@golang.org>
Date:   Fri May 9 15:49:21 2014 -0700

    net/url: correct documentation of Values.Add
    
    Fixes #7816.
    
    LGTM=bradfitz
    R=golang-codereviews, bradfitz
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/98160043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/e3eee85b0d4010be0a1a24fb6a423945c156fb3d

元コミット内容

net/url: correct documentation of Values.Add
    
Fixes #7816.

変更の背景

このコミットの背景には、net/url パッケージの Values.Add メソッドの既存のドキュメンテーションが、その実際の動作を正確に記述していなかったという問題があります。コミットメッセージにある Fixes #7816 は、このドキュメンテーションの誤りに関するGoプロジェクトのイシュートラッカー上の問題(Issue 7816)を修正したことを示しています。

このコミットは2014年のものであり、Goプロジェクトのイシュートラッカーやコードレビューシステムは当時から変更されているため、直接的なイシューのリンクや詳細を追跡することは困難です。しかし、コミットの内容から、Values.Add メソッドのドキュメンテーションが「キーに値を追加する」という正しい動作ではなく、「値にキーを追加する」という誤解を招く表現になっていたことが推測されます。開発者がライブラリを正しく利用するためには、正確なドキュメンテーションが不可欠であるため、この修正は重要でした。

前提知識の解説

net/url パッケージ

net/url パッケージは、Go言語の標準ライブラリの一部であり、URL(Uniform Resource Locator)の解析、生成、およびクエリパラメータの操作を扱うための機能を提供します。Webアプリケーションやネットワークプログラミングにおいて、URLのエンコード/デコード、クエリ文字列の処理などは頻繁に行われるため、このパッケージは非常に重要です。

url.Values

url.Values は、map[string][]string のエイリアス(別名)として定義されています。これは、HTTPのクエリパラメータやフォームデータなど、キーと値のペアの集合を表現するために使用されます。特徴としては、一つのキーに対して複数の値を関連付けることができる点です。例えば、?param=value1&param=value2 のようなクエリ文字列を表現できます。

Values.Add メソッド

Values.Add(key, value string) メソッドは、url.Values 型のインスタンスに対して、指定された keyvalue を追加するために使用されます。もし key が既に存在する場合、value は既存のキーに関連付けられた値のスライスに追加(append)されます。key が存在しない場合は、新しいキーとして value を含むスライスが作成されます。

GoDoc (Go Documentation)

Go言語では、コードのコメントから自動的にドキュメンテーションを生成するツール godoc が提供されています。関数、メソッド、型、変数などの宣言の直前に書かれたコメントは、その要素のドキュメンテーションとして扱われます。このドキュメンテーションは、Goの公式ドキュメントサイト (pkg.go.dev) やローカルの godoc コマンドで参照できます。そのため、ドキュメンテーションコメントの正確性は、Go言語のコードの可読性と利用しやすさに直結します。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Values.Add メソッドのドキュメンテーションコメントにおける、主語と目的語の誤用を修正することにあります。

元のドキュメンテーションコメントは以下のようになっていました。

// Add adds the key to value. It appends to any existing
// values associated with key.
func (v Values) Add(key, value string) {
	v[key] = append(v[key], value)
}

このコメントの最初の文「Add adds the key to value.」は、メソッドの実際の動作と矛盾していました。Add メソッドは、keyvalue に追加するのではなく、valuekey に関連付けられたリストに追加するものです。つまり、value が追加される対象であり、key はその追加先の識別子です。

この誤解を招く表現は、特にGo言語の初心者や、net/url パッケージに不慣れな開発者にとって混乱の原因となる可能性がありました。正確なドキュメンテーションは、APIの正しい使用方法を伝える上で極めて重要です。

修正後のドキュメンテーションコメントは以下のようになります。

// Add adds the value to key. It appends to any existing
// values associated with key.
func (v Values) Add(key, value string) {
	v[key] = append(v[key], value)
}

Add adds the key to value.」が「Add adds the value to key.」に変更されたことで、メソッドの動作が正確に表現されるようになりました。これにより、開発者は Values.Add メソッドが「指定されたキーに対して新しい値を追加する」という意図を明確に理解できるようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/net/url/url.go
+++ b/src/pkg/net/url/url.go
@@ -502,7 +502,7 @@ func (v Values) Set(key, value string) {
 	v[key] = []string{value}
 }
 
-// Add adds the key to value. It appends to any existing
+// Add adds the value to key. It appends to any existing
 // values associated with key.
 func (v Values) Add(key, value string) {
 	v[key] = append(v[key], value)

コアとなるコードの解説

上記の差分が示すように、変更は src/pkg/net/url/url.go ファイルの504行目にある Values.Add メソッドのドキュメンテーションコメントに限定されています。

具体的には、以下の行が変更されました。

  • 変更前: // Add adds the key to value. It appends to any existing
  • 変更後: // Add adds the value to key. It appends to any existing

この変更は、コメントの最初の文における「key to value」というフレーズを「value to key」に修正したものです。これにより、Add メソッドが「valuekey に追加する」という正しい意味合いを持つようになり、メソッドの機能がより正確に伝わるようになりました。コード自体のロジック(v[key] = append(v[key], value))は変更されておらず、ドキュメンテーションのみが修正されています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメンテーション(net/url パッケージに関する情報)
  • Go言語のイシュートラッカー(過去のイシューの検索を試みましたが、このコミットの年代が古いため、直接的なリンクは見つかりませんでした。)
  • Go言語のコードレビューシステム(過去のCLの検索を試みましたが、このコミットの年代が古いため、直接的なリンクは見つかりませんでした。)