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[インデックス 19318] ファイルの概要

このコミットは、src/cmd/go/test.bash ファイルに対する変更です。

コミット

  • コミットハッシュ: d6a1fb0b0c7f148773e02f40f1ef61852e4e6e16
  • 作者: Robert Hencke robert.hencke@gmail.com
  • コミット日時: 2014年5月10日 土曜日 13:41:05 -0400

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d6a1fb0b0c7f148773e02f40f1ef61852e4e6e16

元コミット内容

cmd/go: remove merge markers

LGTM=minux.ma
R=cespare, rsc, minux.ma
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/96210043

変更の背景

このコミットの背景は、Gitのマージ処理中に発生した「マージコンフリクトマーカー」が、src/cmd/go/test.bash ファイル内に残ってしまったことによるものです。マージコンフリクトが発生すると、Gitは競合する変更箇所を特殊なマーカー(<<<<<<<, =======, >>>>>>>)で囲んでファイルに書き込みます。これらのマーカーは、手動でコンフリクトを解決し、最終的なコードを確定するために使用されます。

しかし、このコミットでは、これらのマーカーが解決されずにファイルに残ってしまっていたため、スクリプトの実行に問題を引き起こす可能性がありました。test.bash はGoプロジェクトのテストスクリプトであり、このような構文エラーはテストの失敗や予期せぬ動作につながります。したがって、このコミットの目的は、残存していたマージコンフリクトマーカーを削除し、スクリプトをクリーンな状態に戻すことでした。

前提知識の解説

Gitのマージコンフリクトとマージマーカー

Gitを使用していると、複数の開発者が同じファイルの同じ箇所を同時に変更し、それらの変更を統合(マージ)しようとした際に「マージコンフリクト」が発生することがあります。Gitは自動的に変更をマージしようとしますが、競合する変更をどのように統合すべきか判断できない場合にコンフリクトとして報告します。

コンフリクトが発生すると、Gitは競合する箇所を以下のような特殊なマーカーで囲んでファイルに書き込みます。

<<<<<<< HEAD (または local)
現在のブランチでの変更内容
=======
マージしようとしているブランチでの変更内容 (または other)
>>>>>>> feature-branch (または other)
  • <<<<<<< HEAD (または <<<<<<< local): 現在のブランチ(HEAD)での変更の開始を示します。
  • =======: 競合する変更の区切りを示します。この上側が現在のブランチの変更、下側がマージ対象のブランチの変更です。
  • >>>>>>> feature-branch: マージしようとしているブランチ(例: feature-branch)での変更の終了を示します。

開発者はこれらのマーカーを見て、手動でどちらの変更を採用するか、あるいは両方の変更を組み合わせて新しいコードを作成するかを決定し、マーカーを削除してファイルを保存することでコンフリクトを解決します。

cmd/gotest.bash

  • cmd/go: Go言語のツールチェインの主要なコマンドである go コマンドのソースコードが格納されているディレクトリです。go build, go run, go test など、Go開発者が日常的に使用するコマンドの実装が含まれています。
  • test.bash: cmd/go ディレクトリ内にあるシェルスクリプトで、go コマンド自体のテストを実行するために使用されます。このスクリプトは、go コマンドの様々な機能が正しく動作するかどうかを検証するためのテストケースを含んでいます。シェルスクリプトであるため、内部に不正な構文(この場合はマージマーカー)が含まれていると、スクリプトの実行が中断されたり、予期せぬエラーが発生したりする可能性があります。

技術的詳細

このコミットは、src/cmd/go/test.bash ファイル内に誤って残されていたGitのマージコンフリクトマーカーを削除するという、非常に直接的な修正です。これらのマーカーはシェルスクリプトの有効な構文ではないため、スクリプトが実行されると構文エラーとして解釈され、テストプロセスが中断されるか、誤った結果を返す可能性がありました。

具体的には、以下の箇所にマージマーカーが残っていました。

  1. TEST 'Issue 6844: cmd/go: go test -a foo does not rebuild regexp' のテストブロック内。
  2. TEST list template can use context function のテストブロック内。
  3. TEST build -i installs dependencies のテストブロックの直前。

これらのマーカーは、コードの論理的な意味には影響を与えませんが、シェルスクリプトのパーサーにとっては理解できない文字列であり、実行時にエラーを引き起こします。このコミットは、これらの不要なマーカーを削除することで、test.bash スクリプトが意図通りに実行されるようにし、Goツールチェインのテストの安定性を確保します。これは、機能追加やバグ修正ではなく、コードベースの健全性を維持するためのクリーンアップ作業と位置づけられます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は src/cmd/go/test.bash ファイルのみです。

--- a/src/cmd/go/test.bash
+++ b/src/cmd/go/test.bash
@@ -708,28 +708,23 @@ if ./testgo test notest >/dev/null 2>&1; then
 fi
 unset GOPATH
 
-<<<<<<< local
 TEST 'Issue 6844: cmd/go: go test -a foo does not rebuild regexp'
 if ! ./testgo test -x -a -c testdata/dep_test.go 2>deplist; then
  	echo "go test -x -a -c testdata/dep_test.go failed"
  	ok=false
 elif ! grep -q regexp deplist; then
  	echo "go test -x -a -c testdata/dep_test.go did not rebuild regexp"
-=======\n+\tok=false\n+fi\n+rm -f deplist\n+rm -f deps.test\n+\n TEST list template can use context function
 if ! ./testgo list -f "GOARCH: {{context.GOARCH}}"; then
  	echo unable to use context in list template
->>>>>>> other
  	ok=false
 fi
-<<<<<<< local
-rm -f deplist
-rm -f deps.test
-=======\n->>>>>>> other
- 
-<<<<<<< local
-=======\n TEST build -i installs dependencies
 d=$(TMPDIR=/var/tmp mktemp -d -t testgoXXX)\n export GOPATH=$d
@@ -764,7 +759,6 @@ fi
 rm -rf $d
 unset GOPATH
 
->>>>>>> other
 # clean up
 if $started; then stop; fi
 rm -rf testdata/bin testdata/bin1

具体的には、以下のマージマーカーとそれに伴う重複コードが削除されています。

  1. <<<<<<< local
  2. =======
  3. >>>>>>> other

これらのマーカーは、test.bash スクリプトの実行時にシェルによって構文エラーとして解釈される可能性がありました。

コアとなるコードの解説

このコミットの「コアとなるコードの変更」は、実際にはコードの追加やロジックの変更ではなく、既存のコードから不要な要素(マージコンフリクトマーカー)を削除することです。

変更前は、test.bash スクリプト内にGitのマージコンフリクトマーカーが残っていました。例えば、以下のような部分です。

<<<<<<< local
TEST 'Issue 6844: cmd/go: go test -a foo does not rebuild regexp'
if ! ./testgo test -x -a -c testdata/dep_test.go 2>deplist; then
 	echo "go test -x -a -c testdata/dep_test.go failed"
 	ok=false
elif ! grep -q regexp deplist; then
 	echo "go test -x -a -c testdata/dep_test.go did not rebuild regexp"
=======
 	ok=false
fi
rm -f deplist
rm -f deps.test

TEST list template can use context function
if ! ./testgo list -f "GOARCH: {{context.GOARCH}}"; then
 	echo unable to use context in list template
>>>>>>> other

このコミットでは、これらのマーカーと、それによって生じた重複または不整合なコードブロックが削除され、スクリプトが単一の論理的な流れを持つように修正されました。

変更後のコードは、マージコンフリクトマーカーがないため、シェルスクリプトとして正しくパースされ、実行されます。これにより、go コマンドのテストが中断されることなく、期待通りに動作するようになります。これは、コードの機能的な変更というよりも、コードベースの健全性と保守性を高めるための重要なクリーンアップ作業です。

関連リンク

参考にした情報源リンク