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[インデックス 19415] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のソースツリー内の src/nacltest.bash というファイルのパーミッションを変更し、実行可能にしたものです。

コミット

commit 2fed8c7667a1411a4415d5a28672836e9b31fd07
Author: Brad Fitzpatrick <bradfitz@golang.org>
Date:   Tue May 20 11:21:19 2014 -0700

    src: make nacltest.bash executable
    
    TBR=rsc
    R=rsc
    CC=golang-codereviews
    https://golang.org/cl/98480043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/2fed8c7667a1411a4415d5a28672836e9b31fd07

元コミット内容

src: make nacltest.bash executable

TBR=rsc
R=rsc
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/98480043

変更の背景

このコミットの背景は非常にシンプルです。nacltest.bashというシェルスクリプトが、その機能を発揮するために実行可能である必要があったため、そのファイルパーミッションが変更されました。

通常、シェルスクリプトや実行可能なプログラムは、オペレーティングシステムによって実行されるために「実行可能ビット」が設定されている必要があります。このコミット以前は、nacltest.bashにはこの実行可能ビットが設定されていなかったため、直接実行しようとすると「Permission denied」のようなエラーが発生したと考えられます。開発者がこのスクリプトをテストやビルドプロセスの一部として利用する際に、実行可能でないことが問題となり、この変更が加えられました。

nacltest.bashというファイル名から推測されるように、これはGoogle Native Client (NaCl)に関連するテストスクリプトである可能性が高いです。Go言語は、かつてNative Clientをターゲットプラットフォームの一つとしてサポートしていました。そのため、このスクリプトはNaCl環境でのGoプログラムのテストやビルドを自動化するために使用されていたと考えられます。

前提知識の解説

ファイルパーミッション (Unix/Linux)

Unix系オペレーティングシステム(Linux、macOSなど)では、ファイルやディレクトリには「パーミッション(権限)」が設定されています。これは、誰がそのファイルに対してどのような操作(読み取り、書き込み、実行)を許可されているかを制御するものです。

パーミッションは通常、3つのカテゴリに分けられます。

  1. 所有者 (Owner): ファイルを作成したユーザー。
  2. グループ (Group): ファイルが属するグループのメンバー。
  3. その他 (Others): 上記以外のすべてのユーザー。

それぞれのカテゴリに対して、以下の3種類の権限が設定されます。

  • 読み取り (Read, r): ファイルの内容を読み取ること、ディレクトリの内容を一覧表示すること。
  • 書き込み (Write, w): ファイルの内容を変更すること、ディレクトリ内のファイルを作成・削除すること。
  • 実行 (Execute, x): ファイルをプログラムとして実行すること、ディレクトリにアクセスしてその中のファイルに移動すること。

これらのパーミッションは、数値(オクタル表記)で表現されることが多く、各権限は以下のように対応します。

  • r = 4
  • w = 2
  • x = 1

これらを合計して、各カテゴリのパーミッションを表します。例えば、rwx4+2+1=7rw-4+2+0=6r-x4+0+1=5 となります。

ファイルパーミッションは、通常3桁または4桁のオクタル数で表されます。

  • 3桁の場合: 所有者、グループ、その他の順にパーミッションを表します。
    • 例: 755 は、所有者が rwx (7)、グループが r-x (5)、その他が r-x (5) を意味します。
  • 4桁の場合: 先頭の桁は特殊パーミッション(SetUID, SetGID, Sticky Bit)を表しますが、このコミットでは関係ありません。

このコミットで変更されたパーミッション 100644100755 は、Gitが内部的にファイルのモードを表現する際に使用する形式です。

  • 100644: 通常のファイル (100) で、所有者は読み書き (6)、グループは読み取りのみ (4)、その他も読み取りのみ (4)。実行権限なし。
  • 100755: 通常のファイル (100) で、所有者は読み書き実行 (7)、グループは読み取り実行 (5)、その他も読み取り実行 (5)。実行権限あり。

Google Native Client (NaCl)

Google Native Client (NaCl) は、ウェブブラウザ内でネイティブコード(C/C++など)を安全に実行するためのサンドボックス技術です。これにより、ウェブアプリケーションがCPUに近い速度で動作する高性能なコードを実行できるようになります。Go言語は、かつてNaClをターゲットプラットフォームの一つとしてサポートしており、GoプログラムをNaCl環境向けにコンパイルすることが可能でした。

しかし、NaClは現在では非推奨となっており、WebAssembly (Wasm) がその役割を引き継いでいます。Go言語も現在ではWebAssemblyへのコンパイルを公式にサポートしています。このコミットが行われた2014年当時は、NaClがまだ活発に開発・利用されていた時期でした。

技術的詳細

このコミットは、Gitのリポジトリにおけるファイルの「モード」の変更を記録しています。Gitはファイルのコンテンツだけでなく、そのパーミッション(特に実行可能ビット)も追跡します。

diff --git a/src/nacltest.bash b/src/nacltest.bash この行は、src/nacltest.bashというファイルに対する変更であることを示しています。

old mode 100644 new mode 100755 これらの行が、このコミットの核心です。

  • old mode 100644: 変更前のファイルのモードが 100644 であったことを示します。これは、所有者には読み書き権限があり、グループとその他のユーザーには読み取り権限のみがあることを意味します。実行権限はどのユーザーにもありませんでした。
  • new mode 100755: 変更後のファイルのモードが 100755 になったことを示します。これは、所有者には読み書き実行権限があり、グループとその他のユーザーには読み取りと実行権限があることを意味します。これにより、このファイルがスクリプトとして直接実行できるようになります。

この変更は、ファイルのコンテンツ自体には一切影響を与えません。0 insertions(+), 0 deletions(-)という表示が示す通り、ファイルの内容は変更されていません。変更されたのは、ファイルシステム上でのそのファイルの振る舞いを決定するメタデータ(パーミッション)のみです。

シェルスクリプトを実行可能にする一般的なコマンドは chmod +x filename です。このコミットは、Gitリポジトリにその chmod +x の結果を記録したものです。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットには、実際のコードの変更は含まれていません。唯一の変更は、src/nacltest.bash というファイルのパーミッション(モード)です。

--- a/src/nacltest.bash
+++ b/src/nacltest.bash
old mode 100644
new mode 100755

コアとなるコードの解説

前述の通り、このコミットはコードの変更を含まず、ファイルのメタデータ(パーミッション)の変更のみです。

src/nacltest.bash は、Go言語のソースツリー内の src ディレクトリに配置されたシェルスクリプトです。ファイル名から、Go言語のNative Client (NaCl) 関連のテストを実行するためのスクリプトであると推測されます。

このスクリプトが実行可能になったことで、ビルドシステム、CI/CDパイプライン、または開発者が直接このスクリプトを呼び出して、NaCl環境でのGoのテストを実行できるようになりました。実行可能ビットが設定されていないと、スクリプトの内容を読み取ることはできても、./nacltest.bash のように直接実行することはできません。

この変更は、Goプロジェクトのテストインフラストラクチャの健全性と自動化を確保するために必要な、小さなしかし重要な修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Gitのファイルモードに関するドキュメントや記事 (一般的な知識として参照)
  • Unix/Linuxのファイルパーミッションに関するドキュメントや記事 (一般的な知識として参照)
  • Google Native Clientに関する過去のドキュメントや情報 (一般的な知識として参照)
  • Go言語の過去のリリースノートやドキュメント (NaClサポートに関する情報)
  • chmod コマンドに関するドキュメント (一般的な知識として参照)
  • git diff の出力形式に関するドキュメント (一般的な知識として参照)