[インデックス 19417] ファイルの概要
このコミットは、Goプロジェクトの様々なドキュメントやコード内の「the the」という重複した単語のタイポを修正するものです。これはコードの可読性と品質を向上させるための、比較的小規模ながらも重要な改善です。
コミット
commit ca6be91cbc39574a3f422a07dc4f0f4922c6668f
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date: Tue May 20 14:42:07 2014 -0400
all: fix "the the" typos.
LGTM=bradfitz
R=golang-codereviews, bradfitz
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/93470043
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/ca6be91cbc39574a3f422a07dc4f0f4922c6668f
元コミット内容
all: fix "the the" typos.
LGTM=bradfitz
R=golang-codereviews, bradfitz
CC=golang-codereviews
https://golang.org/cl/93470043
変更の背景
このコミットの背景は非常にシンプルで、コードベース全体に散見される「the the」という重複した単語のタイポを修正することにあります。このようなタイポは、技術文書やコードコメント、テストデータなど、様々な場所で発生しがちです。
タイポの修正は、コードの機能に直接影響を与えるものではありませんが、以下の点で重要です。
- 可読性の向上: 正しい文法とスペルは、ドキュメントやコメント、コード自体を理解しやすくします。特にオープンソースプロジェクトでは、世界中の開発者がコードを読み、貢献するため、明確で正確な記述が求められます。
- プロフェッショナリズム: 公式のドキュメントやコードにタイポが存在すると、プロジェクトの品質やプロフェッショナリズムに対する印象を損なう可能性があります。
- ツールの正確性: テストデータやスクリプト内のタイポは、Gofmtのようなコードフォーマッタや、GDBのようなデバッグツールが意図しない動作をする原因となる可能性は低いですが、将来的な拡張や解析において混乱を招く可能性を排除します。
このコミットは、Goプロジェクト全体の品質維持活動の一環として行われたものであり、細部にわたる品質へのこだわりを示しています。
前提知識の解説
このコミットを理解するために、特に高度な技術的知識は必要ありませんが、以下の概念を把握しておくと、変更の意図がより明確になります。
- タイポ (Typo): タイプミスによって生じる誤字脱字のことです。このコミットでは「the the」という、同じ単語が連続して記述されるという一般的なタイポが修正されています。
- コードベース (Codebase): 特定のソフトウェアプロジェクトを構成する全てのソースコード、ドキュメント、設定ファイルなどの集合体を指します。このコミットは、Go言語のコードベース全体にわたるタイポ修正であるため、「all:」というプレフィックスがコミットメッセージに付与されています。
- Gofmt: Go言語の公式なコードフォーマッタです。Goのソースコードを標準的なスタイルに自動的に整形します。
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
とsrc/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
は、Gofmtのテストケースに関連するファイルであり、Gofmtが特定のコードパターンをどのように整形するかを検証するために使用されます。 - GDB (GNU Debugger): プログラムの実行を制御し、内部状態を検査するためのデバッガです。
src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
は、GoランタイムのデバッグをGDBから容易にするためのPythonスクリプトです。Goの内部構造(ゴルーチン、スタックなど)をGDBからアクセスできるようにするためのヘルパースクリプトとして機能します。 - Go Wiki: Go言語に関するドキュメントや記事が公開されているウェブサイトです。
doc/articles/wiki/index.html
は、Go Wikiの記事の一つであり、ウェブアプリケーションの構築に関するチュートリアルの一部である可能性があります。 - Code Review (コードレビュー): ソフトウェア開発プロセスにおいて、他の開発者が書いたコードをレビューし、品質、正確性、効率性、保守性などを評価するプロセスです。コミットメッセージにある
LGTM
(Looks Good To Me) やR=
(Reviewers) は、コードレビュープロセスにおける承認やレビュー担当者を示す一般的な略語です。 - Change List (CL): Goプロジェクトでは、変更は通常、Gerritというコードレビューシステムを通じて提出されます。
https://golang.org/cl/93470043
は、このコミットに対応するGerritの変更リストへのリンクです。
技術的詳細
このコミットは、技術的な複雑さを伴うものではなく、主にテキストの修正に焦点を当てています。変更は、以下の4つのファイルにわたって行われています。
-
doc/articles/wiki/index.html
:- このファイルはHTMLドキュメントであり、Go Wikiの記事の一部です。
- 変更箇所は、HTMLの
<p>
タグ内のテキストで、「let's implement the the handler:
」から「let's implement the handler:
」へと修正されています。これは、読者向けのドキュメントにおけるタイポの修正です。
-
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
:- Gofmtのテストデータの一部で、
typeswitch.input
ファイルがGofmtによって処理された後の「期待される」出力(ゴールデンファイル)を示します。 - 変更箇所は、コメント行内の「
in the the type switch type assertion and which
」から「in the type switch type assertion and which
」への修正です。これは、Gofmtのテストケースのコメント内のタイポ修正であり、Gofmtの動作自体には影響しませんが、テストコードの正確性を保つ上で重要です。
- Gofmtのテストデータの一部で、
-
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
:- Gofmtのテストデータの一部で、Gofmtによって処理される「入力」ファイルです。
typeswitch.golden
と同様に、コメント行内の「in the the type switch type assertion and which
」から「in the type switch type assertion and which
」への修正が行われています。入力ファイルと出力ファイルの両方でタイポが修正されることで、テストケースの一貫性が保たれます。
-
src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
:- GoランタイムのデバッグをGDBから行うためのPythonスクリプトです。
- 変更箇所は、Pythonのdocstring(関数の説明文)内の「
It returns a touple of gdv.Value's representing the the stack pointer
」から「It returns a touple of gdv.Value's representing the stack pointer
」への修正です。これは、デバッグスクリプトのコメント内のタイポ修正であり、スクリプトの機能には影響しませんが、デバッグツールのドキュメントの正確性を向上させます。
これらの変更はすべて、重複した「the」という単語を削除するという単純なものです。これにより、Goプロジェクトの様々な側面におけるテキストの品質と正確性が向上しています。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットにおける「コアとなるコードの変更箇所」は、特定の機能追加やバグ修正ではなく、主にテキストコンテンツの修正です。以下に、各ファイルの具体的な変更行を示します。
doc/articles/wiki/index.html
--- a/doc/articles/wiki/index.html
+++ b/doc/articles/wiki/index.html
@@ -466,7 +466,7 @@ header to the HTTP response.
<p>
The function <code>saveHandler</code> will handle the submission of forms
located on the edit pages. After uncommenting the related line in
-<code>main</code>, let's implement the the handler:
+<code>main</code>, let's implement the handler:
</p>
{{code "doc/articles/wiki/final-template.go" `/^func saveHandler/` `/^}/`}}
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
--- a/src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
+++ b/src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
@@ -4,7 +4,7 @@
into the correct unparenthesized form.
Only type-switches that didn't declare a variable
- in the the type switch type assertion and which
+ in the type switch type assertion and which
contained only "expression-like" (named) types in their
cases were permitted to have their type assertion parenthesized
by go/parser (due to a weak predicate in the parser). All others
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
--- a/src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
+++ b/src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
@@ -4,7 +4,7 @@
into the correct unparenthesized form.
Only type-switches that didn't declare a variable
- in the the type switch type assertion and which
+ in the type switch type assertion and which
contained only "expression-like" (named) types in their
cases were permitted to have their type assertion parenthesized
by go/parser (due to a weak predicate in the parser). All others
src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
--- a/src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
+++ b/src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
@@ -378,7 +378,7 @@ class GoroutinesCmd(gdb.Command):
def find_goroutine(goid):
"""
find_goroutine attempts to find the goroutine identified by goid.
- It returns a touple of gdv.Value's representing the the stack pointer
+ It returns a touple of gdv.Value's representing the stack pointer
and program counter pointer for the goroutine.
@param int goid
コアとなるコードの解説
このコミットの「コアとなるコードの解説」は、各ファイルで行われた具体的なテキスト修正に集約されます。
-
doc/articles/wiki/index.html
:- このファイルは、Go Wikiのウェブページコンテンツを定義するHTMLファイルです。
- 変更は、ユーザーがウェブアプリケーションのチュートリアルを読んでいる際に目にするテキストの一部です。
<code>main</code>, let's implement the the handler:
という箇所で、「the」が重複していました。これは、英語の文法的な誤りであり、読者の理解を妨げる可能性があります。修正により、<code>main</code>, let's implement the handler:
となり、自然な英語表現に改善されました。
-
src/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.golden
およびsrc/cmd/gofmt/testdata/typeswitch.input
:- これらは、Go言語のコードフォーマッタである
gofmt
のテストスイートの一部です。typeswitch.input
はgofmt
への入力として使用され、typeswitch.golden
はその入力がgofmt
によって処理された後の期待される出力(「ゴールデン」リファレンス)です。 - 両ファイル内のコメント行に「
in the the type switch type assertion and which
」というタイポがありました。このコメントは、gofmt
が型スイッチの括弧をどのように扱うかに関する特定のケースを説明しています。タイポの修正により、コメントの正確性と可読性が向上し、テストケースの意図がより明確になりました。これは、gofmt
の動作自体には影響しませんが、テストコードの品質を維持する上で重要です。
- これらは、Go言語のコードフォーマッタである
-
src/pkg/runtime/runtime-gdb.py
:- このファイルは、Goランタイムの内部構造をGDBデバッガから検査するためのPythonスクリプトです。
find_goroutine
関数のdocstring(ドキュメンテーション文字列)に「It returns a touple of gdv.Value's representing the the stack pointer
」というタイポがありました。このdocstringは、関数が何を行うかを説明しており、デバッガを使用する開発者にとって重要な情報源です。タイポの修正により、It returns a touple of gdv.Value's representing the stack pointer
となり、デバッグツールのドキュメントの正確性が向上しました。
これらの修正は、Goプロジェクト全体のドキュメント、テストデータ、およびデバッグツールのコメントにおけるテキスト品質を向上させることを目的としています。機能的な変更は一切なく、純粋に保守性と可読性の向上に貢献しています。
関連リンク
- Go言語公式ウェブサイト: https://golang.org/
- GoプロジェクトのGitHubリポジトリ: https://github.com/golang/go
- Gerrit Code Review (Goプロジェクトのコードレビューシステム): https://go.googlesource.com/go/+/refs/heads/master (このコミットのCLリンクは
https://golang.org/cl/93470043
ですが、Gerritの一般的なURLも参考として記載します)
参考にした情報源リンク
- Goプロジェクトのコミット履歴 (GitHub): https://github.com/golang/go/commits/master
- Gofmtに関するドキュメント (Goコマンドドキュメント): https://pkg.go.dev/cmd/gofmt
- GDBに関する情報 (GNU Debugger): https://www.gnu.org/software/gdb/
- Go Wiki: https://go.dev/wiki/