KDOC 30: ひとり焼肉のさみしさ

意図せず、人生で初めてのひとり焼肉をした。意図せず、というのは約束してたけど誰も来なかった、みたいな悲しい出来事ではない。ひとりでぶらぶらしているときに「焼肉定食」を書かれた店を見つけたので入ったら、各自で焼くタイプの店だったというだけのことだ。カウンター席が多く、一人で焼いてる人が何人もいた。当然、焼く網も1席ずつあった。見える範囲の全員がスマホを見つつ肉をいじっていて、退屈で面倒そうに見えた。ラーメン屋とか牛丼屋にいる人と同じ感じ。

焼いて食べた感想としてはやる前からわかっていたことだが、さみしさ、これに限る。リピートはしなさそうだ。焼肉は空気が好きなのであって、単純に独立した行為や料理として好きなわけじゃない、ということがわかった。話相手がいないのに焼く行為は煩わしい。ただの自炊だ。肉が焼ける速度は異常に長く感じて、どれも焦げることはなかった。調理した後のものが出てきてほしかった。オレは普段自炊をしないので、客に焼かせてこの値段か、くらいの気分にもなった(そういうものだけども)。自炊している人にとっては、肉が焼けるまで黙って待つのは簡単なことだろうから、ここまでは違和感に感じないだろう。自炊してる人は家でできるだろうから、わざわざ店には来なさそうにも見える。どういう人が一人で行ってるのだろう。