KDOC 230: 『忘れ去られたCPU黒歴史』
この文書のステータス
- 作成
- 2024-08-29 貴島
- レビュー
- 2024-09-03 貴島
概要
忘れ去られたCPU黒歴史 Intel/AMDが振り返りたくない失敗作たちは、大失敗したCPUを紹介する本。
メモ
- CPU Timn
- 統合CPU
- iAPX432
- OSが持つような機能も、CPUでやる設計
- プロセス間通信、マルチタスク、オブジェクト指向…
- いろいろ詰め込みすぎてダイは巨大、歩留まりが悪かった
- 当時の技術では1チップにできなかった。複数チップで遅い
- i860
- 性能が低く普及せず
- 実際にベンチマークテストをしてみると、フルにハンドアセンブルでプログラムを書いた場合でも40MFLOPSがせいぜいで、コンパイラーを使ってプログラムを生成すると10MFLOPSにしかならなかった(p28)
- i960
- 別の組み込み向けプロセッサーに資源を割かれ、開発は停止
- Prescott / Tejas
- 燃費が最悪
- Northwood世代の場合、全消費電力の10%程度がリークしていた
- XScale
- 技術的というよりも、政治的な理由で放棄されたプロセッサー
- Merced
以下AMD。
- Am29000
- 組み込み向けにけっこうな数が流通していたが、経営上の判断で開発中止になった
- AMDは組み込み向けの市場ではまるで信頼されていない
- K6-Ⅲ
- K8
- 開発の大幅な遅れ
- 歩留まりの急激な悪化があった
- K10
- 消費電力が高く性能もいまいち
- キャッシュにバグがあった
- Elan / Geode
- 組み込み向けプロセッサーの場合、2W前後というのが重要な閾値である。2W以下の場合は、ヒートシンクなしでも問題なく動作できる。2Wを超えると、ヒートシンクを装着しないと熱的に苦しくなる
- 性能的にいいCPUだったが、組み込みCPUへの理解のなさが黒歴史化させた
幻のマイナー系 x86 CPU。
- UMC U5S
- デッドコピー
- AMD K9
その他。
- MC88000
関連
なし。