KDOC 380: 『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』

この文書のステータス

  • 作成
    • 2025-06-09 貴島
  • レビュー
    • 2025-06-11 貴島

概要

『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』は、転職活動の面接についての本。

メモ

面接官の立場になって考えること。

  • 視点

    面接官の立場で考えて、「相手が欲しい答え」が何か見つけ出す。

  • わかりやすさ

    「答え」をわかりやすく伝える。

  • ストーリー
    • キャリアの過去と未来をつなげるストーリーを使って、「だから御社で活躍できる」を伝える

メモ。

  • 転職活動は能力やスキル、経験だけで結果が決まらない。決まるなら、面接する必要はないから。だから、チャンスであるともいえる。不利な状況を覆せる可能性がある(p6)
  • 中途採用は単に優秀な人材というより、マッチングが重要である。「仕事の進め方や環境に合う人材」、「募集中の特定のポジションのニーズを満たす人材」。求人のニーズを満たせるかの一点が重要(p16)
  • 中途採用における書類選考では、主に応募者の在籍業界、企業名と役職、経験年数の基本情報をチェックして職務経歴書の最初の要約を読んだらほぼ合否は決まる(p35)
  • 職務経歴書は企業が雇いたくなる理由として有効なものだけに情報を絞って、できるだけ短く1~2ページにまとめるのが鉄則(p35)
  • 転職活動とは自分という人材を企業に売り込むための「営業」の場である。経歴がなぜ相手企業にとって魅力的だと言えるのかを相手目線で説明できるのが重要である(p36)
  • 自分のキャリアのハッシュタグで考える。求人票の内容に沿ってどのようなアピールが評価されそうか考え、ハッシュタグとなる言葉を選ぶ(p41)
  • 職務経歴書は1社1社調整する。求人票の内容が違うのだから、それに合わせて変えるのは当然のことである(p42)
  • 同じ業界・同じ職種だと、専門性やコネクションがない限り、長期的に待遇や役職を上げていくことはできない。転職を機にキャリアアップを目指すのであれば、過去のキャリアを「軸」にしつつ、自分の人材としての可能性が広がるような未知を選ぶのが理想的である(p47)
  • 現職と転職先との何らかの共通点となる軸、「キャリアのつながり」を作れない限り、雇うべき必然性を認識してもらえない。つながりのあるストーリーがあると、必然性を認識しやすい(p48)
  • 転職活動とは、単純に「市場価値」で勝敗が決まるものではない。そうならば、面接は不要である。「市場価値」とは別に、「その企業にとっての価値」という指標がある(p50)
  • 「自己評価」と「面接官の評価」は一致しない。暗記したことを言っている人に多い。聞いた内容からややズレた回答をしてしまい、上手くコミュニケーションを取れない、という印象を受ける(p52)
  • 面接は「対話」であり、コミュニケーション能力を評価する場である。面接官の表情や声の調子から、自分が伝えたいことがきちんと伝わっているかを敏感に察知し、臨機応変に補足説明をしたり、相手の理解度を確認したりする工夫が必要である。柔軟な対応ができない人は面接で高く評価されることはない。相手の質問に正確に答えることが最優先である(p53)
  • 専門用語を使わない。予備知識がなくても誰にでもわかるように「平易で一般的な言葉」に言い換える(p54)
  • 面接の結果は、大部分が面接官個人のフィーリングで決まる。だからこそ、気遣いや柔軟な対応が重要である(p55)
  • 事前の準備さえできていれば、当日は心配ない。回答例をたくさん用意しておく必要がある(p55)
  • 企業が自分を雇うべき絶対的な理由が必要であり、「過去の仕事を頑張ったかどうか」ではない。また「自分が伝えたいこと」を語るのではなく、「相手が欲しがっていること」を語るのが重要である(p58)
  • 面接では「等身大の自分」なんて見せてはいけない。ビジネスの延長線上であって、本音と建前がある。重要なのは回答内容で面接官に「採用したい」と考えてもらえるかである。何をどう言えば相手が自分を採用したくなるかだけを考える(p59)
  • 面接後は振り返りを行う。一次面接の傾向は、最終面接でも共通している。質問、受け答え、相手の反応や反省点をメモしておく(p62)
  • 中途採用面接はこれから一緒に働く仲間として頼りになる人物かどうかを見ているため、即戦力となるための能力や経験以上に、「真剣さ」「真面目さ」「熱意」を厳しく見ている(p65)

研究内容。

  • 業界について
    • 業界全体の市場規模
    • 自社のマーケットシェア
    • 業界内でのポジショニング
  • 企業について
    • 近年の業績の推移
    • 看板となる事業
    • 現在抱えている課題
    • 将来3~5年のビジネスの展望
  • 募集中の求人について
    • 今回の応募ポジションの社内での位置づけ
    • 入社後の役割、達成すべきゴール
    • 求めている人物像と条件

メモ。

  • 企業が求めるのは「具体的な仕事の経験と実績」である。このとき役立つのが「STAR」の考え方である(p68)
    • Situation(状況)。市場の概況、自社が置かれた状況を説明する。基本的な前提を共有できていないと自分が達成したことの「難易度」や「意義」が伝わらない
    • Task(課題)。自分が何を解決したか。何が難しいのか。取り組んだ課題やハードルについて相手に理解してもらう
    • Action(行動)。課題解決のために何をしたかだけでなく、なぜそうするに至ったか、他の選択肢があるなかで何が決め手だったか、意思決定プロセスにどう貢献したか。チームとしてやったことと自分個人が成し遂げたことを明確に区別して伝えるのが重要である
    • Result(結果)。仕事の結果として何が得られたか、客観的な成果、数字の実績など
    • Learning(学び)。その一連のプロジェクトから経験として学んだこと、失敗したと感じていること、やり直すなら何を改善するか
  • 当時どのような「状況」下にあって、いかなる「課題」を解決する必要があったのか、そのためにどのような「行動」をとり、最終的に「結果」はどうなったのか、というポイントを押さえる。さらにLearning(学び)を追加で語るとよい(p68)
  • 声に出して、話す練習をする。自分が話す姿を客観的に見ておくことが重要(p76)
  • オンラインでは話がどれくらい通じているか、相手の反応がよいかを測りにくい。相手も同じである。相手の反応を注意深く見つつ、ここまでの話が伝わっているかを都度確認する(p82)
  • 面接官も緊張している。四苦八苦しながら面接をしている。決して敵ではなく、一緒に働くことになる仲間である。自分という人材の良いところを仲間である面接官に教えるくらいの気持ちがよい(p86)
  • 志望理由に「本当の理由」はいらない。志望理由で転職エージェントに紹介されたから、と答えるのは典型的な失敗例である(p92)
  • 自分の過去の経験がこの会社でどう生きるのか、この会社で何を目指しているのか、というキャリアのストーリーを志望理由に組み込むとベストである。また企業や業界研究をきちんとしていないと答えられない深い内容は明確な差別化になる。また、企業や業界について調べるほど興味が出てきて「志望理由」は自然と湧いてくる(p94)
  • ストーリーの考え方のヒント。この面接に自分が呼ばれた理由を考える。「自分に期待されていること」を考える。過去のキャリアと転職先のポジションをつなげるストーリーは相手のニーズから必然性を持って作り上げるものである(p95)
  • 「現職に不満はない」は嘘くさい。明確な理由がなければならない(p96)
  • 面接のほかの要素と同じく、「逆質問」も正直に自分が聞きたいことを聞く機会ではなく、「逆質問」という形式で評価を下す試練の1つである(p117)
  • 残業や転勤に対してなんでも正直従う、という態度も本当なのかと疑われることになる。自分の事情や背景を説明したうえで、条件付きで承諾するとよい
  • 「5年後・10年後のキャリア」は文字通りに受け取れば自分個人のキャリアの話だが、相手が欲しいのは「5年後、10年後の長期でどのように会社に貢献できるか」ということである(p132)
  • どんな質問が来ても自分のスキルや過去の業務経験のPRにつながる形で回答するのが理想(p132)
  • 「会社の課題は何か」という質問は会社の悪いところを聞きたいわけではない。「課題」は見方を変えれば「改善のチャンス」であり、現職の会社でどのように課題を特定しそれを解決しようと努力したかを聞いている(p143)
  • 「休日の過ごし方」の質問にも意味がある。正直な答えは必要ない(p146)
  • 面接はアピールの場であり、納得させるにはストーリーが重要である。簡潔に回答できるケースは少ない(p158)

関連

なし。