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[インデックス 12277] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ツールである cmd/vet のドキュメントファイル src/cmd/vet/doc.go に変更を加えています。doc.go ファイルは、Goのパッケージやコマンドに関するドキュメントを記述するための慣習的なファイルであり、この場合は vet コマンドが提供する静的解析チェックの詳細を説明する役割を担っています。具体的には、vet がどのような種類の疑わしいコード構造を報告するのかについて、より詳細な説明が追加されています。

コミット

doc: elaborate available checks for cmd/vet

R=golang-dev, r, ality, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5709053

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/df3a841021ed2a983f87fec477017e85268f2ac2

元コミット内容

このコミットの元の内容は、「cmd/vet の利用可能なチェックを詳述する」というものです。これは、go tool vet コマンドが実行する静的解析の種類について、ドキュメントをより詳細かつ明確にする意図を示しています。

変更の背景

go tool vet は、Go言語のソースコード内の疑わしい構造や潜在的なバグを検出するための静的解析ツールです。初期のドキュメントでは、vet がどのようなチェックを行うかについて、簡潔な説明しかありませんでした。しかし、ユーザーがこのツールの機能を最大限に活用し、検出される警告の意味を正確に理解するためには、より詳細な情報が必要でした。

この変更の背景には、vet が検出できる具体的な問題の種類(例: Printf フォーマット文字列の不一致、メソッドシグネチャの誤り、構造体タグの不正な形式)を明確にすることで、開発者がコード品質を向上させ、一般的な落とし穴を回避できるようにするという目的があります。これにより、コンパイラでは捕捉できないが実行時に問題を引き起こす可能性のあるエラーを早期に発見し、開発プロセスを効率化することが期待されます。

前提知識の解説

go tool vet とは

go tool vet は、Go言語の標準ツールチェーンに含まれる静的解析ツールです。コンパイラが検出できないような、しかし実行時に問題を引き起こす可能性のある「疑わしい」コード構造を検出することを目的としています。例えば、fmt.Printf のようなフォーマット文字列を扱う関数で、引数の型とフォーマット指定子が一致しない場合などです。vet はヒューリスティックに基づいて動作するため、報告されるすべての問題が必ずしも実際のバグであるとは限りませんが、多くの一般的なエラーパターンを効果的に特定できます。

Printf ファミリー関数

Go言語の fmt パッケージには、C言語の printf に似たフォーマット済み出力を行う関数群があります。これらは一般に「Printf ファミリー」と呼ばれ、fmt.Print, fmt.Printf, fmt.Println, fmt.Fprint, fmt.Fprintf, fmt.Fprintln, fmt.Sprint, fmt.Sprintf, fmt.Sprintln などが含まれます。これらの関数は、フォーマット文字列とそれに続く引数を受け取り、指定されたフォーマットに従って文字列を生成または出力します。vet は、これらの関数呼び出しにおいて、フォーマット文字列と引数の間に不一致がないかをチェックします。

メソッドシグネチャ

Go言語では、特定のインターフェースを実装したり、特定の動作を提供したりするために、慣習的に特定の名前とシグネチャを持つメソッドが定義されることがあります。例えば、io.Reader インターフェースの Read メソッドや、json.Marshaler インターフェースの MarshalJSON メソッドなどです。これらのメソッドのシグネチャ(引数の型、戻り値の型)が標準と異なる場合、意図しない動作やインターフェースの実装失敗につながる可能性があります。vet は、よく知られたメソッド名に対して、非標準的なシグネチャがないかをチェックします。

構造体タグ (struct tags)

Go言語の構造体フィールドには、reflect パッケージによって実行時にアクセスできるメタデータとして「タグ」を付与することができます。構造体タグは通常、json:"field_name"xml:"element_name" のように、キーと値のペアの形式で記述されます。これらのタグは、JSONエンコーディング/デコーディング、XMLマッピング、データベースORMなど、様々な目的で利用されます。reflect.StructTag.Get 関数は、このタグ文字列を解析して特定のキーに対応する値を取得します。vet は、構造体タグが reflect.StructTag.Get が理解できる正しい形式に従っているかをチェックし、解析エラーにつながる可能性のある不正な形式を報告します。

技術的詳細

このコミットによって src/cmd/vet/doc.go に追加された技術的詳細は、go tool vet が実行する具体的なチェック項目を明確にしています。

  1. Printf ファミリーのチェック:

    • Printf ファミリーに属する関数(Print, Printf, Println, Fprint, Fprintf, Fprintln, Sprint, Sprintf, Sprintln, Error, Errorf, Fatal, Fatalf, Panic, Panicf, Panicln)の疑わしい呼び出しを検出します。
    • 関数名が 'f' で終わる場合(例: Printf, Errorf)、その関数は fmt.Printf のようにフォーマット記述子文字列を受け取ると仮定されます。vet は、このフォーマット文字列とそれに続く引数の型や数に不一致がないかをチェックします。
    • 関数名が 'f' で終わらない場合(例: Print, Println)、vet は引数の中にフォーマット記述子文字列のように見えるものがないかを警告します。これは、fmt.Println("Value: %v", value) のように、Printf を使うべき場所で Println を誤って使ってしまうようなケースを検出するためです。
    • さらに、Printf の最初の引数として io.Writer ではなく、誤って Printf のフォーマット文字列を渡してしまうようなエラーもチェックします。これは、fmt.Fprintf(os.Stdout, "Hello, %s\n", name) と書くべきところを、fmt.Printf(os.Stdout, "Hello, %s\n", name) と誤って書いてしまうようなケースを指します。
  2. メソッドのチェック:

    • Format, GobEncode, GobDecode, MarshalJSON, MarshalXML, Peek, ReadByte, ReadFrom, ReadRune, Scan, Seek, UnmarshalJSON, UnreadByte, UnreadRune, WriteByte, WriteTo といった、Go言語でよく使われる慣習的なメソッド名に対して、非標準的なシグネチャを持つものを検出します。
    • これらのメソッドは、特定のインターフェースの実装や、Goの標準ライブラリが期待する動作を提供するために、特定のシグネチャを持つことが期待されます。例えば、json.Marshaler インターフェースを実装する MarshalJSON メソッドは (error) を返す必要があります。シグネチャが異なる場合、コンパイラエラーにはならないものの、期待されるインターフェースが満たされなかったり、ランタイムで予期せぬ動作を引き起こしたりする可能性があります。
  3. 構造体タグのチェック:

    • reflect.StructTag.Get が理解できる形式に従っていない構造体タグを検出します。
    • 構造体タグは、key:"value" の形式で記述される必要があります。例えば、json:"name,omitempty" のように、キーと値のペアがスペースで区切られて複数記述されることもあります。
    • 不正な形式のタグは、reflect パッケージによる解析エラーを引き起こし、JSONエンコーディング/デコーディングなどの処理が正しく行われない原因となります。vet は、このような構文エラーを早期に警告します。

これらの詳細なチェック項目をドキュメントに追加することで、go tool vet の機能がより明確になり、開発者がコードの潜在的な問題を理解しやすくなります。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットによるコアとなるコードの変更箇所は、src/cmd/vet/doc.go ファイルのみです。

具体的には、以下の部分が変更されています。

--- a/src/cmd/vet/doc.go
+++ b/src/cmd/vet/doc.go
@@ -4,18 +4,42 @@
 
 /*
 
-Vet does simple checking of Go source code.
+Vet examines Go source code and reports suspicious constructs, such as Printf
+calls whose arguments do not align with the format string. Vet uses heuristics
+that do not guarantee all reports are genuine problems, but it can find errors
+not caught by the compilers.
 
-It checks for simple errors in calls to functions named
+Available checks:
+
+1. Printf family
+
+Suspicious calls to functions in the Printf familiy, including any functions
+with these names:
 \tPrint Printf Println
 \tFprint Fprintf Fprintln
 \tSprint Sprintf Sprintln
 \tError Errorf
 \tFatal Fatalf
+\tPanic Panicf Panicln
 If the function name ends with an \'f\', the function is assumed to take
 a format descriptor string in the manner of fmt.Printf. If not, vet
 complains about arguments that look like format descriptor strings.
 
+It also checks for errors such as using a Writer as the first argument of
+Printf.
+\n+2. Methods
+\n+Non-standard signatures for methods with familiar names, including:\n+\tFormat GobEncode GobDecode MarshalJSON MarshalXML\n+\tPeek ReadByte ReadFrom ReadRune Scan Seek \n+\tUnmarshalJSON UnreadByte UnreadRune WriteByte\n+\tWriteTo
+\n+3. Struct tags
+\n+Struct tags that do not follow the format understood by reflect.StructTag.Get.
+\n Usage:
 \n \tgo tool vet [flag] [file.go ...]\

この差分は、既存の簡潔な説明を削除し、より詳細な「Available checks:」セクションを追加していることを示しています。

コアとなるコードの解説

変更された src/cmd/vet/doc.go ファイルは、go tool vet コマンドのドキュメントコメントを更新しています。

元のドキュメントは非常に簡潔で、「VetはGoソースコードの簡単なチェックを行う。PrintPrintf などの関数呼び出しにおける簡単なエラーをチェックする」という内容でした。

このコミットでは、その説明を大幅に拡張し、vet がどのような種類の「疑わしい構造」を報告するのかを具体的にリストアップしています。

追加された内容は以下の通りです。

  • Vet の目的の明確化: Vet examines Go source code and reports suspicious constructs, such as Printf calls whose arguments do not align with the format string. Vet uses heuristics that do not guarantee all reports are genuine problems, but it can find errors not caught by the compilers. (VetはGoソースコードを検査し、Printf呼び出しの引数がフォーマット文字列と一致しないなどの疑わしい構造を報告します。Vetはすべての報告が真の問題であることを保証しないヒューリスティックを使用しますが、コンパイラでは捕捉されないエラーを見つけることができます。) という説明が追加され、ツールの性質と限界がより明確に示されています。

  • 利用可能なチェックのリスト化:

    • 1. Printf family: Print, Printf, Println などの Printf ファミリー関数における疑わしい呼び出しについて、より詳細な説明が追加されました。特に、関数名が 'f' で終わるか否かによる挙動の違いや、Printf の最初の引数に Writer を誤って渡すケースについても言及されています。Panic, Panicf, Panicln もこのチェックの対象に追加されています。
    • 2. Methods: Format, GobEncode, GobDecode, MarshalJSON, MarshalXML など、特定の慣習的なメソッド名を持つ関数における非標準的なシグネチャのチェックが新たに明記されました。これにより、開発者はこれらのメソッドの正しいシグネチャを意識するよう促されます。
    • 3. Struct tags: reflect.StructTag.Get が理解できない形式の構造体タグのチェックが新たに明記されました。これは、構造体タグの構文エラーを早期に検出するのに役立ちます。

これらの追加により、go tool vet の機能がより透過的になり、ユーザーはどのような種類の問題をこのツールが検出できるのかを正確に理解できるようになりました。これは、ツールの利用促進と、Goコードの品質向上に貢献します。

関連リンク

参考にした情報源リンク

このコミットは、Go言語の公式ツールである cmd/vet のドキュメントファイル src/cmd/vet/doc.go に変更を加えています。doc.go ファイルは、Goのパッケージやコマンドに関するドキュメントを記述するための慣習的なファイルであり、この場合は vet コマンドが提供する静的解析チェックの詳細を説明する役割を担っています。具体的には、vet がどのような種類の疑わしいコード構造を報告するのかについて、より詳細な説明が追加されています。

コミット

doc: elaborate available checks for cmd/vet

R=golang-dev, r, ality, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5709053

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/df3a841021ed2a983f87fec477017e85268f2ac2

元コミット内容

このコミットの元の内容は、「cmd/vet の利用可能なチェックを詳述する」というものです。これは、go tool vet コマンドが実行する静的解析の種類について、ドキュメントをより詳細かつ明確にする意図を示しています。

変更の背景

go tool vet は、Go言語のソースコード内の疑わしい構造や潜在的なバグを検出するための静的解析ツールです。初期のドキュメントでは、vet がどのようなチェックを行うかについて、簡潔な説明しかありませんでした。しかし、ユーザーがこのツールの機能を最大限に活用し、検出される警告の意味を正確に理解するためには、より詳細な情報が必要でした。

この変更の背景には、vet が検出できる具体的な問題の種類(例: Printf フォーマット文字列の不一致、メソッドシグネチャの誤り、構造体タグの不正な形式)を明確にすることで、開発者がコード品質を向上させ、一般的な落とし穴を回避できるようにするという目的があります。これにより、コンパイラでは捕捉できないが実行時に問題を引き起こす可能性のあるエラーを早期に発見し、開発プロセスを効率化することが期待されます。

前提知識の解説

go tool vet とは

go tool vet は、Go言語の標準ツールチェーンに含まれる静的解析ツールです。コンパイラが検出できないような、しかし実行時に問題を引き起こす可能性のある「疑わしい」コード構造を検出することを目的としています。例えば、fmt.Printf のようなフォーマット文字列を扱う関数で、引数の型とフォーマット指定子が一致しない場合などです。vet はヒューリスティックに基づいて動作するため、報告されるすべての問題が必ずしも実際のバグであるとは限りませんが、多くの一般的なエラーパターンを効果的に特定できます。

Printf ファミリー関数

Go言語の fmt パッケージには、C言語の printf に似たフォーマット済み出力を行う関数群があります。これらは一般に「Printf ファミリー」と呼ばれ、fmt.Print, fmt.Printf, fmt.Println, fmt.Fprint, fmt.Fprintf, fmt.Fprintln, fmt.Sprint, fmt.Sprintf, fmt.Sprintln などが含まれます。これらの関数は、フォーマット文字列とそれに続く引数を受け取り、指定されたフォーマットに従って文字列を生成または出力します。vet は、これらの関数呼び出しにおいて、フォーマット文字列と引数の間に不一致がないかをチェックします。

メソッドシグネチャ

Go言語では、特定のインターフェースを実装したり、特定の動作を提供したりするために、慣習的に特定の名前とシグネチャを持つメソッドが定義されることがあります。例えば、io.Reader インターフェースの Read メソッドや、json.Marshaler インターフェースの MarshalJSON メソッドなどです。これらのメソッドのシグネチャ(引数の型、戻り値の型)が標準と異なる場合、意図しない動作やインターフェースの実装失敗につながる可能性があります。vet は、よく知られたメソッド名に対して、非標準的なシグネチャがないかをチェックします。

構造体タグ (struct tags)

Go言語の構造体フィールドには、reflect パッケージによって実行時にアクセスできるメタデータとして「タグ」を付与することができます。構造体タグは通常、json:"field_name"xml:"element_name" のように、キーと値のペアの形式で記述されます。これらのタグは、JSONエンコーディング/デコーディング、XMLマッピング、データベースORMなど、様々な目的で利用されます。reflect.StructTag.Get 関数は、このタグ文字列を解析して特定のキーに対応する値を取得します。vet は、構造体タグが reflect.StructTag.Get が理解できる正しい形式に従っているかをチェックし、解析エラーにつながる可能性のある不正な形式を報告します。

技術的詳細

このコミットによって src/cmd/vet/doc.go に追加された技術的詳細は、go tool vet が実行する具体的なチェック項目を明確にしています。

  1. Printf ファミリーのチェック:

    • Printf ファミリーに属する関数(Print, Printf, Println, Fprint, Fprintf, Fprintln, Sprint, Sprintf, Sprintln, Error, Errorf, Fatal, Fatalf, Panic, Panicf, Panicln)の疑わしい呼び出しを検出します。
    • 関数名が 'f' で終わる場合(例: Printf, Errorf)、その関数は fmt.Printf のようにフォーマット記述子文字列を受け取ると仮定されます。vet は、このフォーマット文字列とそれに続く引数の型や数に不一致がないかをチェックします。
    • 関数名が 'f' で終わらない場合(例: Print, Println)、vet は引数の中にフォーマット記述子文字列のように見えるものがないかを警告します。これは、fmt.Println("Value: %v", value) のように、Printf を使うべき場所で Println を誤って使ってしまうようなケースを検出するためです。
    • さらに、Printf の最初の引数として io.Writer ではなく、誤って Printf のフォーマット文字列を渡してしまうようなエラーもチェックします。これは、fmt.Fprintf(os.Stdout, "Hello, %s\n", name) と書くべきところを、fmt.Printf(os.Stdout, "Hello, %s\n", name) と誤って書いてしまうようなケースを指します。
  2. メソッドのチェック:

    • Format, GobEncode, GobDecode, MarshalJSON, MarshalXML, Peek, ReadByte, ReadFrom, ReadRune, Scan, Seek, UnmarshalJSON, UnreadByte, UnreadRune, WriteByte, WriteTo といった、Go言語でよく使われる慣習的なメソッド名に対して、非標準的なシグネチャを持つものを検出します。
    • これらのメソッドは、特定のインターフェースの実装や、Goの標準ライブラリが期待する動作を提供するために、特定のシグネチャを持つことが期待されます。例えば、json.Marshaler インターフェースを実装する MarshalJSON メソッドは (error) を返す必要があります。シグネチャが異なる場合、コンパイラエラーにはならないものの、期待されるインターフェースが満たされなかったり、ランタイムで予期せぬ動作を引き起こしたりする可能性があります。
  3. 構造体タグのチェック:

    • reflect.StructTag.Get が理解できる形式に従っていない構造体タグを検出します。
    • 構造体タグは、key:"value" の形式で記述される必要があります。例えば、json:"name,omitempty" のように、キーと値のペアがスペースで区切られて複数記述されることもあります。
    • 不正な形式のタグは、reflect パッケージによる解析エラーを引き起こし、JSONエンコーディング/デコーディングなどの処理が正しく行われない原因となります。vet は、このような構文エラーを早期に警告します。

これらの詳細なチェック項目をドキュメントに追加することで、go tool vet の機能がより明確になり、開発者がコードの潜在的な問題を理解しやすくなります。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットによるコアとなるコードの変更箇所は、src/cmd/vet/doc.go ファイルのみです。

具体的には、以下の部分が変更されています。

--- a/src/cmd/vet/doc.go
+++ b/src/cmd/vet/doc.go
@@ -4,18 +4,42 @@
 
 /*
 
-Vet does simple checking of Go source code.
+Vet examines Go source code and reports suspicious constructs, such as Printf
+calls whose arguments do not align with the format string. Vet uses heuristics
+that do not guarantee all reports are genuine problems, but it can find errors
+not caught by the compilers.
 
-It checks for simple errors in calls to functions named
+Available checks:
+
+1. Printf family
+
+Suspicious calls to functions in the Printf familiy, including any functions
+with these names:
 \tPrint Printf Println
 \tFprint Fprintf Fprintln
 \tSprint Sprintf Sprintln
 \tError Errorf
 \tFatal Fatalf
+\tPanic Panicf Panicln
 If the function name ends with an \'f\', the function is assumed to take
 a format descriptor string in the manner of fmt.Printf. If not, vet
 complains about arguments that look like format descriptor strings.
 
+It also checks for errors such as using a Writer as the first argument of
+Printf.
+\n+2. Methods
+\n+Non-standard signatures for methods with familiar names, including:\n+\tFormat GobEncode GobDecode MarshalJSON MarshalXML\n+\tPeek ReadByte ReadFrom ReadRune Scan Seek \n+\tUnmarshalJSON UnreadByte UnreadRune WriteByte\n+\tWriteTo
+\n+3. Struct tags
+\n+Struct tags that do not follow the format understood by reflect.StructTag.Get.
+\n Usage:
 \n \tgo tool vet [flag] [file.go ...]\

この差分は、既存の簡潔な説明を削除し、より詳細な「Available checks:」セクションを追加していることを示しています。

コアとなるコードの解説

変更された src/cmd/vet/doc.go ファイルは、go tool vet コマンドのドキュメントコメントを更新しています。

元のドキュメントは非常に簡潔で、「VetはGoソースコードの簡単なチェックを行う。PrintPrintf などの関数呼び出しにおける簡単なエラーをチェックする」という内容でした。

このコミットでは、その説明を大幅に拡張し、vet がどのような種類の「疑わしい構造」を報告するのかを具体的にリストアップしています。

追加された内容は以下の通りです。

  • Vet の目的の明確化: Vet examines Go source code and reports suspicious constructs, such as Printf calls whose arguments do not align with the format string. Vet uses heuristics that do not guarantee all reports are genuine problems, but it can find errors not caught by the compilers. (VetはGoソースコードを検査し、Printf呼び出しの引数がフォーマット文字列と一致しないなどの疑わしい構造を報告します。Vetはすべての報告が真の問題であることを保証しないヒューリスティックを使用しますが、コンパイラでは捕捉されないエラーを見つけることができます。) という説明が追加され、ツールの性質と限界がより明確に示されています。

  • 利用可能なチェックのリスト化:

    • 1. Printf family: Print, Printf, Println などの Printf ファミリー関数における疑わしい呼び出しについて、より詳細な説明が追加されました。特に、関数名が 'f' で終わるか否かによる挙動の違いや、Printf の最初の引数に Writer を誤って渡すケースについても言及されています。Panic, Panicf, Panicln もこのチェックの対象に追加されています。
    • 2. Methods: Format, GobEncode, GobDecode, MarshalJSON, MarshalXML など、特定の慣習的なメソッド名を持つ関数における非標準的なシグネチャのチェックが新たに明記されました。これにより、開発者はこれらのメソッドの正しいシグネチャを意識するよう促されます。
    • 3. Struct tags: reflect.StructTag.Get が理解できない形式の構造体タグのチェックが新たに明記されました。これは、構造体タグの構文エラーを早期に検出するのに役立ちます。

これらの追加により、go tool vet の機能がより透過的になり、ユーザーはどのような種類の問題をこのツールが検出できるのかを正確に理解できるようになりました。これは、ツールの利用促進と、Goコードの品質向上に貢献します。

関連リンク

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