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[インデックス 12513] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ウェブサイトのホームページからGoogle +1ボタンを削除する変更です。具体的には、doc/root.htmlから+1ボタンのHTML要素を、doc/style.cssから関連するCSSスタイル定義を削除しています。

コミット

  • コミットハッシュ: b6618c118f33b2ade689ee1e77c52361f4657e33
  • Author: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • Date: Thu Mar 8 17:31:20 2012 +1100

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/b6618c118f33b2ade689ee1e77c52361f4657e33

元コミット内容

doc: drop google +1 button from the home page

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5784048

変更の背景

このコミットは2012年3月8日に行われました。コミットメッセージには「doc: drop google +1 button from the home page」と簡潔に記されています。当時のGoogle +1ボタンの状況を調査したところ、2012年時点ではGoogle +1ボタン自体が公式に非推奨とされていたわけではありませんでした。しかし、2011年12月には検索結果におけるボタンの表示方法が変更され、ユーザーが検索結果にカーソルを合わせたときにのみ表示されるように変更されるなど、インターフェースの整理に向けた動きがありました。

Go言語のウェブサイトからこのボタンが削除された背景には、以下のような理由が考えられます。

  1. デザインとパフォーマンスの最適化: Google +1ボタンは外部スクリプトを読み込むため、ページのロード時間に影響を与える可能性がありました。Go言語のウェブサイトはシンプルさとパフォーマンスを重視しているため、不要な外部要素を排除する決定がなされた可能性があります。
  2. Google+の戦略変更への対応: Google+は当時まだ比較的新しいサービスでしたが、その後の展開を考えると、Google社内でのGoogle+および+1ボタンの長期的な戦略に関する議論や方向性の変化が、Goチームの判断に影響を与えた可能性も否定できません。
  3. 機能の利用状況: Go言語のホームページにおける+1ボタンの利用率が低かった、あるいはその機能がサイトの目的にあまり寄与しないと判断された可能性もあります。

この変更は、Go言語のウェブサイトが、よりクリーンで効率的なユーザーエクスペリエンスを提供するための継続的な取り組みの一環として行われたと推測されます。

前提知識の解説

Google +1ボタン

Google +1ボタンは、Googleが提供していたソーシャル共有ボタンで、ウェブサイトのコンテンツをGoogle+(Googleのソーシャルネットワークサービス)上で推奨したり、検索結果に影響を与えたりする目的で使用されました。Facebookの「いいね!」ボタンやTwitterの「ツイート」ボタンに似た機能を持っていました。ユーザーが+1ボタンをクリックすると、そのコンテンツがGoogle+のフィードや、ユーザーのGoogle検索結果に表示される可能性がありました。

Google+

Google+は、Googleが2011年に開始したソーシャルネットワークサービスです。Facebookに対抗する形で立ち上げられ、サークル(Circles)という独自のグループ分け機能などが特徴でした。しかし、ユーザー数の伸び悩みや利用率の低迷により、最終的には2019年4月に一般消費者向けサービスが終了しました。

HTML (HyperText Markup Language)

ウェブページの構造を定義するためのマークアップ言語です。テキスト、画像、リンクなどの要素を配置し、それらがどのように表示されるかをブラウザに指示します。このコミットでは、doc/root.htmlからGoogle +1ボタンを表示するための特定のHTMLタグが削除されています。

CSS (Cascading Style Sheets)

ウェブページの見た目(スタイル)を定義するためのスタイルシート言語です。色、フォント、レイアウト、配置など、HTML要素の表示方法を制御します。このコミットでは、doc/style.cssからGoogle +1ボタンに関連するスタイル定義が削除されています。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、Go言語のウェブサイトのフロントエンド部分に集中しています。具体的には、Google +1ボタンの表示とスタイリングに関連するコードが削除されました。

  1. HTMLからの要素削除: doc/root.htmlファイルは、Go言語のウェブサイトのホームページの主要な構造を定義しています。Google +1ボタンは、<g:plusone>というカスタムタグ(GoogleのJavaScript APIによって解釈される)と、それを囲むdiv要素によってページに埋め込まれていました。このコミットでは、この<div id="plusoneRoot">とその内部の<g:plusone>タグが完全に削除されました。これにより、ブラウザがページをレンダリングする際に、+1ボタンの要素がそもそも存在しなくなります。

  2. CSSからのスタイル削除: doc/style.cssファイルは、Go言語のウェブサイト全体の視覚的なスタイルを定義しています。Google +1ボタンに関連して、div#plusoneRootというIDセレクタに対するCSSルールが存在していました。このルールは、ボタンの配置(float: right;)を制御していました。HTMLから要素が削除されたため、このCSSルールも不要となり、削除されました。

この変更は、ウェブページのレンダリングにおいて、不要な要素の読み込みとスタイリング処理をなくすことで、ページの軽量化とパフォーマンス向上に寄与します。また、Google+の将来的な動向を見越した、ウェブサイトの保守性の向上にも繋がります。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/doc/root.html b/doc/root.html
index cf42ba318d..b2ce06ffb3 100644
--- a/doc/root.html
+++ b/doc/root.html
@@ -72,8 +72,6 @@ Linux, Mac OS X, Windows, and more.
 
 <div style="clear: both;"></div>
 
-<div id="plusoneRoot"><g:plusone annotation="none"></g:plusone></div>
-
 <script type="text/javascript" src="https://www.google.com/jsapi"></script>
 <script type="text/javascript" src="/doc/play/playground.js"></script>
 <script type="text/javascript">
diff --git a/doc/style.css b/doc/style.css
index a62dbc9517..1d8ccd0ead 100644
--- a/doc/style.css
+++ b/doc/style.css
@@ -145,9 +145,6 @@ div#topbar .container {
 div#plusone {
 	float: right;
 }
-div#plusoneRoot {
-	float: right;
-}
 
 div#copyright {
 	color: #666;

コアとなるコードの解説

doc/root.html の変更

-<div id="plusoneRoot"><g:plusone annotation="none"></g:plusone></div>

この行は、Go言語のホームページにGoogle +1ボタンを埋め込んでいたHTML要素です。

  • <div id="plusoneRoot">: +1ボタンを囲むdiv要素で、CSSでスタイリングするためのID (plusoneRoot) が付与されていました。
  • <g:plusone annotation="none"></g:plusone>: これはGoogle +1ボタンを表示するためのカスタムタグです。GoogleのJavaScript API (https://www.google.com/jsapi から読み込まれるスクリプト) がこのタグを認識し、実際の+1ボタンのUIに置き換えていました。annotation="none"は、ボタンの横に+1の数を表示しない設定です。

この行が削除されたことで、Go言語のホームページからGoogle +1ボタンの表示が完全に消えました。

doc/style.css の変更

-div#plusoneRoot {
-	float: right;
-}

このCSSルールは、doc/root.htmlで定義されていたid="plusoneRoot"を持つdiv要素に適用されるスタイルでした。

  • float: right;: このプロパティは、要素を親要素の右側に浮動させ、その後のコンテンツがその要素の周りを回り込むように配置するものです。これにより、+1ボタンがページの右側に表示されていました。

doc/root.htmlからdiv#plusoneRoot要素が削除されたため、このCSSルールも不要となり、削除されました。これにより、CSSファイルから未使用のスタイル定義が取り除かれ、コードベースが整理されました。

関連リンク

参考にした情報源リンク