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[インデックス 16511] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール go のドキュメント、特に go vet コマンドに関する記述を更新するものです。具体的には、go vet の詳細なドキュメントを参照するための godoc コマンドのパスが変更されています。

コミット

commit 822da408147e4cf74b38013cbc8b1090b31da738
Author: Roger Peppe <rogpeppe@gmail.com>
Date:   Fri Jun 7 19:01:07 2013 +0100

    cmd/go: update go vet documentation
    
    R=rsc, minux.ma, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/10110043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/822da408147e4cf74b38013cbc8b1090b31da738

元コミット内容

cmd/go: update go vet documentation

このコミットは、go vet コマンドのドキュメントを更新することを目的としています。

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のエコシステムにおけるツールの管理と配布方法の進化があります。初期のGo開発では、vet のようなツールはGo本体のリポジトリの一部として、あるいは独立したツールとして提供されていました。しかし、Goのツール群が成熟するにつれて、それらをより体系的に管理し、Go本体のリリースサイクルとは独立して開発・配布できるようにする必要性が生じました。

その結果、go.tools という新しいリポジトリが code.google.com/p/go.tools の下に作成され、vet を含む多くのGoツールがそこへ移行されました。この移行により、vet のようなツールはGo本体とは異なるバージョン管理とリリースが可能になり、より迅速な改善やバグ修正が行えるようになりました。

このコミットが行われた2013年6月時点では、go.tools リポジトリへの移行が完了し、vet の公式な参照パスが変更されたため、Go本体の go コマンドのヘルプメッセージやドキュメントもそれに合わせて更新する必要がありました。以前は単に godoc vet と指定するだけで vet のドキュメントを参照できましたが、vetgo.tools の一部となったことで、その完全なインポートパスを指定する必要が生じたのです。

前提知識の解説

go vet コマンド

go vet は、Goプログラムの潜在的なバグや疑わしい構造を検出するための静的解析ツールです。コンパイルエラーにはならないものの、実行時に問題を引き起こす可能性のあるコードパターン(例: Printf フォーマット文字列と引数の不一致、到達不能なコード、ロックの誤用など)を特定します。開発者がコードの品質と信頼性を向上させるのに役立つ重要なツールです。

godoc コマンド

godoc は、Goのソースコードからドキュメントを生成し、表示するためのツールです。Goのパッケージ、関数、型、変数などのドキュメントを、ソースコード内のコメントから自動的に抽出して表示します。また、ローカルのGoインストール環境でドキュメントサーバーを起動することもでき、ブラウザを通じてGoの標準ライブラリやローカルにインストールされたパッケージのドキュメントを閲覧できます。

godoc <パッケージパス> の形式で利用され、指定されたパッケージのドキュメントを表示します。例えば、godoc fmtfmt パッケージのドキュメントを表示します。

code.google.com/p/go.tools

これは、Go言語の公式ツール群をホストしていた当時のリポジトリパスです。Goプロジェクトは初期にはGoogle Code(code.google.com)でホストされており、Go本体のリポジトリとは別に、vetgoimports といった補助的なツール群が go.tools というプロジェクトとして管理されていました。

このパスは、Goのモジュールシステムが導入される前のGoのパッケージ管理の慣習を反映しています。当時は、Goのパッケージはバージョン管理システムのパス(例: code.google.com/p/go.tools/cmd/vet)によって識別され、go get コマンドで取得されていました。

後にGoプロジェクトはGitHubへ移行し、go.tools リポジトリも golang.org/x/tools へとパスが変更されました。このコミットは、その移行期における過渡的な変更の一部と見なすことができます。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、Goコマンドラインツールの内部的なドキュメント生成とヘルプメッセージの仕組みに焦点を当てています。

Goの go コマンドは、go help <command> の形式で各サブコマンドのヘルプメッセージを表示します。これらのヘルプメッセージは、Go本体のソースコード内に埋め込まれており、src/cmd/go/doc.go や各サブコマンドに対応するファイル(例: src/cmd/go/vet.go)で定義されています。

以前の go vet のヘルプメッセージでは、vet の詳細なドキュメントを参照するために godoc vet と指示していました。これは、vet がGo本体のビルドに含まれるか、あるいは godocvet という名前のツールを直接認識できるような環境を前提としていました。

しかし、vetcode.google.com/p/go.tools/cmd/vet という独立したパッケージとして管理されるようになったため、godoc でそのドキュメントを参照するには、完全なインポートパスを指定する必要が生じました。つまり、godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet とすることで、go.tools リポジトリ内の vet コマンドのドキュメントを正確に参照できるようになります。

このコミットは、この変更を反映するために、go コマンドの内部ドキュメントと vet サブコマンドのヘルプメッセージ内の参照パスを更新しています。これにより、ユーザーが go help vet を実行した際に表示される情報が、vet ツールの実際の場所と一致し、正しいドキュメントに誘導されるようになります。

これは、Goのエコシステムが成長し、ツール群がよりモジュール化されていく過程で発生した、ドキュメントの整合性を保つための典型的なメンテナンス作業と言えます。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、以下の2つのファイルが変更されています。

  1. src/cmd/go/doc.go
  2. src/cmd/go/vet.go

それぞれのファイルでの変更は以下の通りです。

src/cmd/go/doc.go

--- a/src/cmd/go/doc.go
+++ b/src/cmd/go/doc.go
@@ -465,7 +465,7 @@ Usage:
 
 Vet runs the Go vet command on the packages named by the import paths.
 
-For more about vet, see 'godoc vet'.
+For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.
 For more about specifying packages, see 'go help packages'.
 
 To run the vet tool with specific options, run 'go tool vet'.

src/cmd/go/vet.go

--- a/src/cmd/go/vet.go
+++ b/src/cmd/go/vet.go
@@ -15,7 +15,7 @@ var cmdVet = &Command{
 	Long: `
 Vet runs the Go vet command on the packages named by the import paths.
 
-For more about vet, see 'godoc vet'.
+For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.
 For more about specifying packages, see 'go help packages'.
 
 To run the vet tool with specific options, run 'go tool vet'.

コアとなるコードの解説

両方のファイルで行われている変更は同一であり、go vet のドキュメントを参照するための指示を更新しています。

変更前: For more about vet, see 'godoc vet'.

変更後: For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.

この変更は、go vet ツールがGo本体の標準ライブラリの一部としてではなく、code.google.com/p/go.tools リポジトリ内の独立したパッケージ cmd/vet として提供されるようになったことを反映しています。

  • src/cmd/go/doc.go: このファイルは、go help コマンドで表示される一般的なGoコマンドのドキュメントを定義しています。この変更により、go help vetgo help の出力の一部として表示される vet コマンドの説明が更新されます。
  • src/cmd/go/vet.go: このファイルは、go vet サブコマンド自体の定義と、その Long フィールドに格納される詳細なヘルプメッセージを含んでいます。この変更により、go help vet を実行した際に表示される vet コマンド固有のヘルプメッセージが更新されます。

この修正は、ユーザーが go vet に関するより詳細な情報を探す際に、正しい godoc コマンドの引数を提供し、適切なドキュメントにたどり着けるようにするためのものです。これは、Goのエコシステムにおけるツールの配置変更に伴う、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的とした重要なドキュメントの更新と言えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

[インデックス 16511] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール go のドキュメント、特に go vet コマンドに関する記述を更新するものです。具体的には、go vet の詳細なドキュメントを参照するための godoc コマンドのパスが変更されています。

コミット

commit 822da408147e4cf74b38013cbc8b1090b31da738
Author: Roger Peppe <rogpeppe@gmail.com>
Date:   Fri Jun 7 19:01:07 2013 +0100

    cmd/go: update go vet documentation
    
    R=rsc, minux.ma, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/10110043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/822da408147e4cf74b38013cbc8b1090b31da738

元コミット内容

cmd/go: update go vet documentation

このコミットは、go vet コマンドのドキュメントを更新することを目的としています。

変更の背景

この変更の背景には、Go言語のエコシステムにおけるツールの管理と配布方法の進化があります。初期のGo開発では、vet のようなツールはGo本体のリポジトリの一部として、あるいは独立したツールとして提供されていました。しかし、Goのツール群が成熟するにつれて、それらをより体系的に管理し、Go本体のリリースサイクルとは独立して開発・配布できるようにする必要性が生じました。

その結果、go.tools という新しいリポジトリが code.google.com/p/go.tools の下に作成され、vet を含む多くのGoツールがそこへ移行されました。この移行により、vet のようなツールはGo本体とは異なるバージョン管理とリリースが可能になり、より迅速な改善やバグ修正が行えるようになりました。

このコミットが行われた2013年6月時点では、go.tools リポジトリへの移行が完了し、vet の公式な参照パスが変更されたため、Go本体の go コマンドのヘルプメッセージやドキュメントもそれに合わせて更新する必要がありました。以前は単に godoc vet と指定するだけで vet のドキュメントを参照できましたが、vetgo.tools の一部となったことで、その完全なインポートパスを指定する必要が生じたのです。

前提知識の解説

go vet コマンド

go vet は、Goプログラムの潜在的なバグや疑わしい構造を検出するための静的解析ツールです。コンパイルエラーにはならないものの、実行時に問題を引き起こす可能性のあるコードパターン(例: Printf フォーマット文字列と引数の不一致、到達不能なコード、ロックの誤用など)を特定します。開発者がコードの品質と信頼性を向上させるのに役立つ重要なツールです。

godoc コマンド

godoc は、Goのソースコードからドキュメントを生成し、表示するためのツールです。Goのパッケージ、関数、型、変数などのドキュメントを、ソースコード内のコメントから自動的に抽出して表示します。また、ローカルのGoインストール環境でドキュメントサーバーを起動することもでき、ブラウザを通じてGoの標準ライブラリやローカルにインストールされたパッケージのドキュメントを閲覧できます。

godoc <パッケージパス> の形式で利用され、指定されたパッケージのドキュメントを表示します。例えば、godoc fmtfmt パッケージのドキュメントを表示します。

code.google.com/p/go.tools

これは、Go言語の公式ツール群をホストしていた当時のリポジトリパスです。Goプロジェクトは初期にはGoogle Code(code.google.com)でホストされており、Go本体のリポジトリとは別に、vetgoimports といった補助的なツール群が go.tools というプロジェクトとして管理されていました。

このパスは、Goのモジュールシステムが導入される前のGoのパッケージ管理の慣習を反映しています。当時は、Goのパッケージはバージョン管理システムのパス(例: code.google.com/p/go.tools/cmd/vet)によって識別され、go get コマンドで取得されていました。

後にGoプロジェクトはGitHubへ移行し、go.tools リポジトリも golang.org/x/tools へとパスが変更されました。このコミットは、その移行期における過渡的な変更の一部と見なすことができます。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、Goコマンドラインツールの内部的なドキュメント生成とヘルプメッセージの仕組みに焦点を当てています。

Goの go コマンドは、go help <command> の形式で各サブコマンドのヘルプメッセージを表示します。これらのヘルプメッセージは、Go本体のソースコード内に埋め込まれており、src/cmd/go/doc.go や各サブコマンドに対応するファイル(例: src/cmd/go/vet.go)で定義されています。

以前の go vet のヘルプメッセージでは、vet の詳細なドキュメントを参照するために godoc vet と指示していました。これは、vet がGo本体のビルドに含まれるか、あるいは godocvet という名前のツールを直接認識できるような環境を前提としていました。

しかし、vetcode.google.com/p/go.tools/cmd/vet という独立したパッケージとして管理されるようになったため、godoc でそのドキュメントを参照するには、完全なインポートパスを指定する必要が生じました。つまり、godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet とすることで、go.tools リポジトリ内の vet コマンドのドキュメントを正確に参照できるようになります。

このコミットは、この変更を反映するために、go コマンドの内部ドキュメントと vet サブコマンドのヘルプメッセージ内の参照パスを更新しています。これにより、ユーザーが go help vet を実行した際に表示される情報が、vet ツールの実際の場所と一致し、正しいドキュメントに誘導されるようになります。

これは、Goのエコシステムが成長し、ツール群がよりモジュール化されていく過程で発生した、ドキュメントの整合性を保つための典型的なメンテナンス作業と言えます。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、以下の2つのファイルが変更されています。

  1. src/cmd/go/doc.go
  2. src/cmd/go/vet.go

それぞれのファイルでの変更は以下の通りです。

src/cmd/go/doc.go

--- a/src/cmd/go/doc.go
+++ b/src/cmd/go/doc.go
@@ -465,7 +465,7 @@ Usage:
 
 Vet runs the Go vet command on the packages named by the import paths.
 
-For more about vet, see 'godoc vet'.
+For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.
 For more about specifying packages, see 'go help packages'.
 
 To run the vet tool with specific options, run 'go tool vet'.

src/cmd/go/vet.go

--- a/src/cmd/go/vet.go
+++ b/src/cmd/go/vet.go
@@ -15,7 +15,7 @@ var cmdVet = &Command{
 	Long: `
 Vet runs the Go vet command on the packages named by the import paths.
 
-For more about vet, see 'godoc vet'.
+For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.
 For more about specifying packages, see 'go help packages'.
 
 To run the vet tool with specific options, run 'go tool vet'.

コアとなるコードの解説

両方のファイルで行われている変更は同一であり、go vet のドキュメントを参照するための指示を更新しています。

変更前: For more about vet, see 'godoc vet'.

変更後: For more about vet, see 'godoc code.google.com/p/go.tools/cmd/vet'.

この変更は、go vet ツールがGo本体の標準ライブラリの一部としてではなく、code.google.com/p/go.tools リポジトリ内の独立したパッケージ cmd/vet として提供されるようになったことを反映しています。

  • src/cmd/go/doc.go: このファイルは、go help コマンドで表示される一般的なGoコマンドのドキュメントを定義しています。この変更により、go help vetgo help の出力の一部として表示される vet コマンドの説明が更新されます。
  • src/cmd/go/vet.go: このファイルは、go vet サブコマンド自体の定義と、その Long フィールドに格納される詳細なヘルプメッセージを含んでいます。この変更により、go help vet を実行した際に表示される vet コマンド固有のヘルプメッセージが更新されます。

この修正は、ユーザーが go vet に関するより詳細な情報を探す際に、正しい godoc コマンドの引数を提供し、適切なドキュメントにたどり着けるようにするためのものです。これは、Goのエコシステムにおけるツールの配置変更に伴う、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的とした重要なドキュメントの更新と言えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク