KDOC 60: ネット広告がクソな理由を考える
「詐欺みたいな迷惑メールはなぜあのフォーマットなのか」の説の1つをネットラジオで聞いた。誰が見ても不審に思える文面はなぜあの文面なのか、ということだ。騙そうとしている人たちの頭がよくないから、みたいに考えてしまうのだが、そうではないようだ。合理的な理由がある。騙そうとしている人たちにとってのコストは、やりとりすることだ。やりとりして途中離脱されると手間がかかる。途中離脱しないような騙しやすい少数の人だけを一本釣りしている、ということのようだ。
それを聞いて、YouTube広告でも同じことがいえるのではないか、と考えた。合間に流れる広告はつねづね、どうしてクソなのだろうと考えていた。技術の進歩にくらべて、広告は進化してないどころか、退行しているように見えていた。それは、まず商材自体が怪しいと迷惑メールと同じようにリテラシー低い層を一本釣りするのが必要そうだ。また、YouTube広告の場合はクリックや再生時間に対して追加料金がかかるので、あまりマス層の関心を引きすぎないのも重要視されている可能性がある。
ネット広告の大きなメリットのひとつは効果が測定でき、効果によって支払うコストを決められる点にあるが、いっぽうで悪いクオリティへの圧力にもなっている。この問題を解くことはできないだろうか。
関連
- 参照: ゆるコンピュータ科学ラジオ - YouTubeで知った
- 類推: ほかにそのように直感的には正しくないがマクロに見ると合理的、みたいな事例はあるだろうか
- 類推: KDOC 44: 多対多のことに対して落胆するのを克服する。試行した数がものを言う例の1つ