KDOC 111: tarは Tape Archive の略である
この文書のステータス
- 作成
- 2024-02-26 貴島
 
- レビュー
- 2024-03-24 貴島
 
正式名称
Linuxコマンドのアーカイブ作成コマンド tar は、 Tape Archive の略1である。つまりもともとは磁気テープ用のコマンドだった。出自がその時代で、頻度が少ないとはいえ今でも使われるツールなのは感動を感じる。
tarコマンドはTape ARchiveというその名の通り磁気テープの操作が念頭に置かれていた。fオプション[11]を省いた場合デフォルトで磁気テープデバイスを処理する。fオプションの指定によりファイルシステム上の任意の名前のファイルを処理できる。
また、アーカイブ後のファイル種類をtarballということがあるが、これにもネタがある。
tarballという言葉の由来は「リーマスじいや(英語版)」の童話『タールの赤ん坊(英語版)』に由来し[12]、それに油塊(タールボール)を引っ掛けたジョーク的用語である。
面白い。
さまざまなtar
さまざまなtar方言があったという。それは複数のオプション形式に現れているように見える。
man tar | head -n 30
TAR(1)                          GNU TAR Manual                          TAR(1)
NAME
       tar - an archiving utility
SYNOPSIS
   Traditional usage
       tar {A|c|d|r|t|u|x}[GnSkUWOmpsMBiajJzZhPlRvwo] [ARG...]
   UNIX-style usage
       tar -A [OPTIONS] ARCHIVE ARCHIVE
       tar -c [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
       tar -d [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
       tar -t [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [MEMBER...]
       tar -r [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
       tar -u [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
       tar -x [-f ARCHIVE] [OPTIONS] [MEMBER...]
   GNU-style usage
       tar {--catenate|--concatenate} [OPTIONS] ARCHIVE ARCHIVE
       tar --create [--file ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
       tar {--diff|--compare} [--file ARCHIVE] [OPTIONS] [FILE...]
- Traditional Usage
- Unix-style usage
- GNU-style usage
まとめ
コンピュータまわりの言葉にはこういうネタが多くて面白い。
関連
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