KDOC 235: 『郷土LOVE』
この文書のステータス
- 作成
- 2024-09-08 貴島
- レビュー
- 2024-09-14 貴島
メモ
- みんながネットサーフィンと言ってる時代に、わざわざ出向いていく。その徒労ぶりが仕事である、という(p15)
- 人間には、向き不向きのモビルスーツがある。体を体ととらえるから人は変わりなく何でもできると考えるが、体をモビルスーツだとすれば、「これは海には向かない」という体のタイプだってある(p28)
- 日本人を大きく分けると、遺跡が好きな人とあまり好きではない人に分かれる(p94)
- 遺跡が好きな人は、実はそこに何もないほうが想像力がかきたてられる、という。城の本格マニアにとっては、のちに建てられたり修復された「城」本体はいらない。石垣だけが残っているほうがいい。石垣をじっと見ていると、頭の中でカチカチと城がみるみるできあがっていく、それがいいという。同じように遺跡もそこに開いている穴を見て、思いを馳せるものである(p94)
- そんなに好きじゃなかったものを無理に好きになることが真の好きである(p127)
- 記念館にはしらみつぶしで行っている、という。なぜなら将来的に、「自分が記念館を建てなきゃなんない」ということを念頭に置いて生きているから。そうすると、他人の記念館が気になってしょうがない。ふつうに生きていたら、他人の記念館のことはあまり気にならない。しかし、「自分が将来建てるなら」ということを考えながら巡ると、「あ、ここの記念館よくできてるな」「ここ、取り入れよう」と考えるようになり、抜群に旅が楽しくなる(p143)
- 旅はたのしいからいい、というわけではない。最近の人は「さびれてる」という言い方をするが、そうではない。「どこ行っても賑やかだね」「人がいっぱい集まってるね」そんなところは一部である。旅は「よろしく哀愁」がいい。別府タワーは哀愁がある(p200)
- 「宮本武蔵生誕の地」と「宮本武蔵終焉の地」がものすごい近い。道をはさんで向かい側である(p206)
- 怖さを克服するとか、人生を一歩先に進めるときには、買ったほうがいい。そのためにお金はある。お金は、怖いものをなくすための紙である。あれは幸せになる紙ではない。「こうすると怖いものが消えるよ」ということを、土佐犬の置物は教えてくれる(p238)
- 市民はうるさすぎる。国の偉い人が一存で決めたことが文化である。全員の意見を聞いたものは文化ではない(p242)
関連
なし。