KDOC 240: 漱石山房記念館を観察する
この文書のステータス
- 作成
- 2024-09-08 貴島
- レビュー
- 2024-09-14 貴島
メモ
- 文学より、建築物への熱意の方が目立った。2面ガラス張り、打ちっぱなしの鉄筋コンクリートというだけで建物の美しさを感じるものだが、それだけではない。内装と小物を再現した漱石の居室と屋外部分が、そのまま博物館の中に入っている。家 in 博物館。順路を進むと、部屋の内側から外廊下、居室の外、そして瓦まで見える。立体パズルのように感じる。よく練られた建築は、漱石が住んだ場所を余すことなく伝える。家を完全再現するのだって、好きなことの表現方法なのだ
- 夏目漱石は散歩を好んでよくしていたという。小説内に近所の描写があって、それが地図とともに一覧化されていたのが印象に残った。作品を無から生み出していたのではない。現実の場所とマッピングされると、その場所に確かに住んでいたことを感じる
- 書き損じのレプリカが展示されていた。いろいろ試行錯誤があって、文豪も推敲するんだなと少し安心した。字は意外に何の変哲もなく、現代にもいそうな感じ。達筆ではなく、きれいでもない
- 意外に参観者は多かった。1人、2人組の若者が多かった。早稲田大学が近いためか。カフェが併設されており、それも人が多く入っていた。値段はスタバばりにするが、オシャレ感で日当たりもよく、とりあえず飲んでいこう、という気持ちにさせるものだった。賑わいと価格で、商業的にうまくいっているように見える。収益を見越して、建物もこう豪華なんだろうか
関連
なし。